【第二回】【IBDP】リソースを「使う」・「型」を作ることとは?
こんにちは。Kateです。まずはそれぞれの科目で良い点を取るには…ということから書き始めようと思いましたが、テクニカルなことを学ぶよりIBの中で学びをどのように自ら構築していくかということについて語ります。このスキル・考え方は全ての科目に転移されるでしょうし。
まず、Webサイトのリンクから先生や友達まで、世の中には種々雑多なリソースが溢れています。
DP界隈でもその例外に漏れず、IAのアイデア集なる何やら怪しげなサイトからIBが公式に発行しているExemplar、そしてみんなが大好きなClastifyまで、さまざまなものが溢れています。情報の海の中からどのように自分にとって最も必要なリソースを抽出するかということはDPに限らず、人生に有益なスキルと言って過言ではないでしょう。この記事では私の考えを述べていきたいと思います。
なぜExemplar(サンプルレポート・ペーパー)や過去問(Past Paper)を参照するのか。その理由が明確でなければ、ただリソースを読むだけで終わってしまったり、色々と無駄が多いはずです。そして、これは常に時間に追われているDP生にとっては致命的ではないでしょうか。
ということで、今回はリソースをうまく使うというテーマです。なお、ここでいうリソースは主にPast Paperや教科書だけでなく、先生なども含めて考えています。
なぜリソースを使うのか?(何を目標に設定するのか)
国際バカロレアで点を取るには何が必要か。この目標から逆算するとリソースを使う目的が少しずつ見えてきます。私は試験でもIAでもこれを「型」だと考えます。国際バカロレアで45点満点に最大限点数を近づけようという観点で見た時に、やはりこれはどれだけ優れた型を編み出せるか、これに尽きます。もちろん、型から外れることが悪いこととは言いませんが、成功の確率が保証されていないために、成功する確信がない場合(守破離と似ていますね)は型に当てはめるのが無難でしょう。
これは、IBの目的を考えれば納得できるかもしれません。IBOは全世界的に通用する大学入学試験を行う、雑なまとめ方をするならば大学入試センターの全世界版のようなものです。マークシートの点数が公平であるように、レポートの採点も試験管の好みによる採点を極力排除し、誰もが同じように評価を下せる客観性を持つことが欠かせません。
「評価基準が平準化されている(概ね)」ということは「これを書けば点がもらえる」という黄金式があることを意味します。これは狭量な、このトピックを書けばうまくいくというレベルのものではなく、例えば主張→反論→再反論を展開するなどのレベルの構造的な類似性を意味します。私はこの型さえ優れていればどの科目で誰であっても8割~9割の点数を取るのは可能だと思うのです。
話が脇道を逸れました。リソースの話に立ち返ると、Exemplarや過去問は国際バカロレアが求めている「型」を正確に知り、自分のルーブリックとの認識を修正するためにあります。このように考えると、DPは個人技の側面が多分にあります。DPの授業や自習は全て「自分の型」を2年間かけて完成させるためであるということがわかるかと思います。
ではどのようにリソースを使うのがいいのか。言い換えれば、どのようにして型を作り上げていくのか。
どのようにリソースを使っていけばいいのか?
先生との関わり方
ここは私はIBの致命的な欠点かつ多くのDP生がストレスを感じる部分だと思います。先生が合わない・単純に先生の技量が低い場合。特にまだDPを教えられる教員が少ない一条校ではストレスフルに感じる時が多いのではないでしょうか。
私もこれでストレスを感じることもありましたが、気持ちを転換させることでこれを乗り切りました。
まず、先生が学問には精通していてもDPには精通していない場合。
この場合は簡単で、先生の強みだけを貰えばいいので、先生を拡張された図書館のように用いることです。IAやプレゼンの際の資料集めで、高校生にとって難しいのは調べるとっかかりを見つけることです。なので、ここにその分野のScholarである先生の知見を用いれば良いのです。
私の学校では違うケースとしてDPについての知識やノウハウはあるのに教えるのが下手/授業外での準備をあまりしていない様子の先生もいました。
このような場合も話は単純で、面倒がられても何度も質問しに行くこと、そして質問内容をすぐ答えられるようなピンポイントのものにすることです。授業外にエッセイを読んでくれる先生は少なくても、エッセイのここの部分で困っていると明確な質問をされた時に拒む先生は流石に少ない気がします。
そして最後のパターンが先生の技量も計画性も今ひとつの場合。
これは珍しいですがしばしありますね....
例えば私はJapanse IOを1週間でやると言われて準備させられたり、あとは私の学校ではありませんでしたがシラバスが最終試験まで終わらない(つまり自習)というケースもたまに聞きます。
これへの対策としては、早くから諦めておくこと、そして自衛措置を講じる他ありません。結局、最終試験を受けるのは自分なので、その先生を使える範囲で自分の型を作るのに使うことです。大体IB始めたての頃にこのような先生は兆候が見えるはずです。先生に学びを委ねるのではなく、先生を「使う」という意識で臨むしかないと思います。あとは本当に割り切って自分はSelf-Taughtとほぼ変わらないのだと思い切ることですね…
私のポイントは先生を批判したいのではなく、(通常の学習指導要領のカリキュラムのように)受動的に授業を受けるというマインドセットを転換するということです。そして、そのためには学校内外にとどまらず、他のIB校に通う生徒に聞いたり、色々伝手を使って自分なりのノウハウを固めるということです。
オンライン(Clastify etc.)のリソースの使い方
これを読んでいる人たちはもちろんExemplarをそのまま転写するようなことはしないと思います。では、なぜ、そしてどのような目的でExemplarやパストペーパーを見るかということです。これは思うに国際バカロレアの傾向を把握し、その試験への回答を作るパターンを作ることだと思います。
文系科目に関わらず、理系科目でもIBには概念の出し方に傾向があります。そしてこれを把握するのに過去問は最適という訳です。もちろん過去問と全く同じ問題は出ないので、過去問はその傾向を把握し未知の問題でも自分がこれまで作ったパターンから答えられるようにするために必要な手段だと思います。IAも同じで、内容ではなく、構成(どのようにルーブリックのストランドとレポートを対応させているか)を見るのが効果的だった記憶があります。
リソースの話は科目ごとの詳細な話については。今回は長くなってしまったのでここで切りたいと思います。次回はようやくDPの科目に話を移していきたいと思います。Hasta La Vista!
豆知識2:私が履修したVisual Arts SLはDPの中でも7を取るのが屈指の難しさで、40%後半が4、そして7を取る人は脅威の1%以下(全世界で2・3人程度)みたいですね。