【ネタ小説】よく見たらチキンクリスプだったので、”ビックマックを食べた。”
第一章 バリ&カン
高校生にあれば男子はだいたいツーブロックに憧れる。
かくゆう高校2年生の私もそりゃ刈り上げる。
いや、今は刈り上げたいだ。
しかし、幾分田舎だから、いかしたバーバーもお洒落な美容室もなし。
なんていったってお金がない。
しかも、よく考えたら、刈り上げ部分のメンテナンスって月にどのくらいお金がかかるんだ?
てか、刈り上げるためだけにお金払わなくりゃいけないのか?
絶対、担当する美容師の人からしたら、その日の休憩時間じゃん!
そんなこんなで刈り上げについて調べていくと...
これがAI機械学習というやつか。
Amazonとかのおすすめがバリカンになり始めてやがる。
「そうだ、セルフでいいじゃん!」
すぐポチリました(笑)
第二章 出来栄え
そんなこんなで、バリカンは無事到着。
あとは、刈るだけよ~ん。
ちょっと待て!
素人が簡単にできるわけないだろ!
と、ならないように事前にYouYubeで勉強しています。
イメージは具体的に持って、刈り上げラインを意識して、慎重に...
うぃ~ん。じゃりじゃり。うぃ~ん。じゃりじゃり。
結果は、
超かっこいい!高校生の初めてのセルフカット史上、上位5%に食い込むぞ!
ツーブロックより大きめに刈り上げを作ってオリジナリティを出す!
学校に行くのが楽しみだぜ!
第三章 From留年ヤンキー To留年ヤンキー
今朝は早起き!
なんてったってヘアセットの心持が以前とはうって違う!
はーい。到着!
いつも通り後ろに席はデカデブ留年ヤンキーの「鬼頭 龍人」。
通称、「鬼」。
ヤンキーで留年生だから接しずらいし、気を遣うからあまり得意じゃない。てか、気まづい。
「おはようございます!鬼頭さん!」
一応、毎朝挨拶。
「おう。てかお前調子乗っとる?」
はーい、ミスったー。後ろの”鬼”の存在を考えずに大きめの刈り上げしてもうたー。
「うそうそ!カッコええじゃん。どこ行ったん?」←危機回避
「いやいや、冷や汗かかせないでくださいよ~。実はセルフっす。この前バリカン買ったんですよ。」
「まあまあうまいな。わしの刈り上げも伸びてきたしなぁ~。そんじゃあお前、わしの髪刈ってくれや。今週のテスト期間、学校早いし、終わったら集合な。」
←危機回避何だったん?
全然仕事してないですやん。
何か知らんけど、バリカンもって”鬼”ヶ島行くことになりました。
「了解でーす。午後、鬼頭さんち行きますね。」
第四章 犬か猿か雉か
午後は”鬼”ヶ島ですか。
一人じゃ正直太刀打ちできんし、お供(お友)でも呼びますか。
かくゆう”鬼”も、料理は得意なのだ。
正直、絶品しか出さない。
ここがこのヤンキーのいいところだ。
「もしもし~。きよし~。」
「なに~。なんかあるんか?」
彼の名は、堂帝 きよし。
青春と留年ヤンキーを分かち合ってる、心の友だ。
「鬼頭さんが昼飯作ってくれるらしいで。しかも今日はキムチチャーハンらしい!」
「ガチか!今週親いねーんだわ。ちょうどいいや。ごちそうになろう!お前んち行くから一緒に行こ!」
彼には申し訳ないが、嘘という名の”きび団子”を食べてもらう。
犬でもなく猿でもなく雉でもなく、今回はきよしだ。
第五章 実践。私ときよ死。(仮)
きよしと合流後、例の”鬼ヶ島”へ向かう。
きび団子の件は怒られたが、毎回料理は出してくれるので、きよしもなんか納得してくれた。
皆さんは知らないかもしれないが、”鬼ヶ島”までの道のりは結構楽しい。
お供(お友)と雑談しながら笑い、近所のおじいちゃんに声をかけ、見慣れてしまったが景色もいい。
だがここまでだ。
ぴんぽ~ん。
「おお。よう来たな。ちょうどシャワー浴びたとこじゃけ、今から刈ってくれや。」
「了解で~す。」
休みなく早速かよ(笑)
5分ほど部屋で準備をして、”鬼”が椅子に腰かけ、さっそく始める。
「ここをこんな感じにして~」←鬼説明
「了解です。じゃあ、はじめますね~。」
うぃ~ん。じゃりじゃり。うぃ~ん。じゃりじゃり。
いい感じだ。
「ちょっと俺もやってみていいっすか?」
きよし!何言ってやがる!ミスったらdeath or die!
「おお!ええで!」
担当者気にせんのんか~い!
「じゃあ、いきまーす。」
うぃ~ん。じゃりじゃり。うぃ~ん。じゃりじゃりりりりり。
(なぁ。)
(なんだよ。)
(ここ刈りすぎたんだけど。)
(おい!ふざけんな!死ぬぞ!)
(でも、後頭部だし。)
(いや、まあな。確かに。これはいける!続行だ!)
うぃ~ん。じゃりじゃり。うぃ~ん。じゃりじゃり。
「終わりました~。」汗汗。ジャン!鏡!
「マジか。結構いいじゃん!お前らサイコー!」
ばれませんでした(笑)
第六章 昼と夜、昼夜一体の表裏一体(1)
例のごとく、昼飯をせがんでみる。
「すみません。ちょっと言いにくいんですけど、昼ご飯食ってないんですよね~」
「そいやぁお前ら早かったもんな。お前ら来る前にマック行ってよ~。ハンバーガーやるよ。そこに置いとるから」
「「ほんまですか!!ありがとうございます!!」」
マックぐらいで大げさな。
と、思っていませんか?
ここは田舎で、車で結構走らないとマックに行けないんです。
”鬼”はバイク持ちなので、時頼マックをくれます。
わー。何のバーガーだろう。ワクワク。
無造作に置かれていたハンバーガーを手に取る。
なんか少し包み紙が開いているが気にしない!
「おお!チキンフィレオですか!俺、これ好きなんですよ!」
「あれ、そうだったっけ?まあええわ。」
”鬼”がそう口にするより早く、チキンフィレオのゴマが飛んだ。
あれ?チキンクリスプじゃね?
そう。鬼ヶ島はゴミが多い。
クリスプはコバエをまとい、フィレオになっていたのだ。
まあ、食べたんですけど。
第七章 昼と夜、昼夜一体の表裏一体(2)
「「ありがとうございました~」」
なんとか、早めに切り上げ、鬼ヶ島から退散し、きよしも家に帰り、私も家に帰った。
「今日の夜ご飯何?」
すると母曰く、
”今日は作るのがめんどくさいので夜はマックに行きます”
なるほど。
今日の昼は、フィレオがクリスプだったので、ビックマックを食べた。
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