2020年の終わり
2020年を形容する言葉を一つ答えるとしたら
それは間違いなく「疫病」だろう。
私の2020年は富士山・河口湖から始まり
新型ウイルスの流布
トイレットペーパー不足のデマ、マスクの転売
パンデミックの混沌の中で本来記念するべき30歳を迎え
自粛・延期・中止の嵐の中で膨大な時間を自室で過ごし
密・コロナと騒ぐうるさいメディアからは距離を置き
国民が選挙で選んだ政治家は
自己保身のために足りない知恵を振り絞って
マスクと10万を配り支持率を落とした
日本の将来への不安を感じ
海外への期待を無理矢理に飲み込んで頭の中から消し
医療従事者・高齢者への実験的とも言える新しいワクチンの接種の開始
減ることを知らない感染者の数
そして今日2020年の終わりの日を静かに迎えている
そんな異常な毎日を世界中の人間が共有していても
時間の流れるスピードは平常運転で
季節は留まることなく移ろう
心はそれに同期せず2020年の2月の冷たい冬で止まっている
かつて旅行で訪れた場所に想いを馳せ
移動制限 面会制限
我慢を強いられた人間は、勝手気ままに出歩く人間に嫌悪感を抱き
Gotoトラベル Gotoイートで
恩恵を受けた企業は冬場の第三波による停止であっさり殺される
うろつく人間が口を開け高笑いして唾を飛ばしどんちゃん騒ぎ
悲鳴をあげる医療現場 てんてこ舞いな生活必需品を売る店のスタッフ
日頃の鬱憤とともに理不尽なクレームを撒き散らかす客(とは言えないな、そんな人は)
約1年間戦い続けた末に 東京オリンピックの開催は不確かで
航空会社は赤字を垂れ流し血まみれの中で
金持ちはリゾートで年末年始を過ごし
マスクを外しビーチに寝転ぶ姿をインスタに載せ羨望と反感を同時に手に入れる
明けない夜はない
止まない雨はない
そんな言葉はいかにも安直で
前の生活を取り戻すのにあと何年かかるのか
海外に住む友達と死ぬまでに直接会うことができるのか
調子は狂ったまま しかし仕事や学業の期限だけはしっかり迫る
リモートワーク テレワーク
補助 寄付 理不尽 犯罪 失望
2020年の闇の中を彷徨い
出口を見つけることのできないまま
2021年に突入する
私が今年得たものは
猫どもと過ごした大切な時間
生きていくための環境の整備
金と引き換えに手に入れた新しいパソコンとネット環境
娯楽と学習、仕事にコミュニケーションがスムーズにできる
まだまだしばらくは絶望の中この社会で生きていけそうな気がするのだ
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