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「もしときサバイバル術Jr」解説(前説)
2018年5月に僕の著書「もしときサバイバル術Jr」が発刊されました。
2016年から、72時間サバイバル教育協会のカリキュラムの見直しを進めていき、Wordでテキストを作成したのですが、どうも伝わりにくく、本に出来ないかと模索していた中、防災サバイバル本を出したいという太郎次郎社エディタスさんを仲間から紹介して頂き、執筆することになったというのが、本を出した経緯です。
もともと僕は「教えない体験学習」を方針としてきました。
指導者養成講座のファーストステップであるコーチ養成講座を受講しに来た方の中には、講習会なのに教えないという一見矛盾してるんじゃないかという方針に最初は戸惑う方も見られます。
けれども、この本の冒頭にある「プログラムをはじめるまえに」の中でも説明してますが、体験してみないと本当に正しいのかどうかわからない、答えは一つじゃない、自分で気づいたり発見したことの方が本当に使える、と思うのです。
受け身で教えられると、それが唯一の正解と思ってしまい、それ以上は考えることをせず、学びが横へ広がっていかない可能性があるのと、教えられたことは忘れやすいということもあります。
だからこの本を書いていく中で、いかに正解を書かずに読者に対してコーチしていくか、ということを念頭に置きました。
もちろん、体験で知るのが難しいことは、知識として教えます。
例えばロープワークなどは1から考えて創作するのは出来ないことは無いと思いますが、かなり難しいでしょう。
ただ、その知識を得ることで、体験活動内の何に結びついていて、どこで役に立つのか、ということを理解しないまま暗記をしても、使い道が無ければすぐ忘れませんか。
サバイバル術というタイトルだけを見れば、火の上手な起こし方や、役にたつロープワークが満載などというイメージを持たれるかもしれません。
だけど、僕はそういったノウハウ本を買って読んだことがたくさんありますが、へーー、なるほどーー、となった後に、でもこれ全部覚えるの大変やわ、と思ってしまい、結局自分の身につかずに本は眠ったままということがよくありました。
せっかくこの本を買っていただいたのに、ただの読み物として終わってしまったらもったいないです。
わかる人は既に気づいておられると思いますが、この本には指導者目線に立った時の体験学習の進め方のヒントを満載しました。
この本を活用して、考えること、体験すること、の大切さを拡げていってくれる指導者が増えて欲しいと思い、改めて本の活用法をこれから少しずつ書いていきたいと思います。