見出し画像

『犬と私の最期の話』〜犬と私のあぶくの足跡⑥

犬と私の20年8ヶ月の長い旅の最期は
“安楽死“を選択しました

犬さん猫さん等々“命“と共に暮らす人達に
興味があれば読んで頂いて
でも読み終えたらすぐ忘れて
幸せな日常に戻ってねと心から願い

それでも犬と私の物語が
誰かの役に立てばと願い記します
めちゃくちゃ長いので笑お暇な時にでも


✳︎

まず先にエクスキューズを
安楽死は特に日本ではタブー視されていますし
センシティブな話題で半道徳的だわー!とか
犬の命を軽んじてるわー!とか

それぞれの信条があるでしょうが
自分の信条と違うからと言って
私に怒られても

もう犬は死んじゃったし笑
怒りをぶつけないで下さいね笑


✳︎

私の犬は7歳から

自己免疫性疾患で
鼻.目.大腸.膵臓.肝臓.副腎等
あらゆる細胞を
自分の免疫で破壊する
厄介な病気になり

大学病院のドクター3人と
3箇所のホームドクター達の
ミラクルな治療でミラクルに乗り越え続けました

一言添えるとポルシェが余裕で買える医療費笑
保険には入りましょう笑 


✳︎

2021年10月18歳の時
口腔内メラノーマという口の癌を発症し 
残り1ヶ月という余命宣告を受けました

年齢的に完治など望まず
ただ最期好きなものを少しでも食べてほしいと
対処療法として
簡易手術で口腔内の癌をメスで焼き切る道を選びました

この簡易手術を計13回
ドクターも驚く生命力でした


✳︎

2022年19歳の時には乳腺腫瘍が見つかり
悩みに悩みましたが

癌が前足付け根の所に出来た為
放っておくと前足が動かなくなる
その位進行の早い癌で…

ドクターが19歳の犬に
全身麻酔をかけるという覚悟を
一緒に引き受けて下さったので
手術をする決断をし

またも奇跡的に生き延びてくれました


✳︎

その後すぐに肛門腺癌も発症しましたが
進行が遅い癌という事で
最期まで“保留“する事となりました

そして2023年8月.20歳
2週間に一度
口腔内の診察をして頂いてましたが
診察時にもう手の施しようがない程
口に癌が一気に広がっており

余命宣告は3ヶ月

この日が1番別れを痛感して泣きました


✳︎
その後すぐに脳にも癌が転移して
てんかん発作を起こすようになりました

てんかん発作後
脳が興奮して24時間歩き回る(てんかん薬が効かない)事もありました

脳に転移した後

そして

「癌が旅をする」という言葉通り
犬の小さな体の中で
体を痛めつける癌が旅を続けました

それでも…


✳︎

犬は流動食をシリンジで一日5回に分けて食べて
シリンジで水やポカリやりんごジュース
ヤギミルクを飲み薬を飲み

鼻の癌で鼻の通りが悪くなっていたのを
自宅でネブライザーをするようになると

「これをすると楽になるよね?」

と言うように自分から鼻を
ネブライザーに入れてました


✳︎

痛みを取るためにモルヒネ系飲み薬を
8月から一日4回飲んでくれました
9月からはCBDも飲み

1人で24時間体制の介護生活の中
ヨレヨレズタボロの中でも
モルヒネにCBD(大麻)って
違う意味で麻薬犬だと思ったり笑

確かな事は
私はあの時程「もう頑張れない」

苦いけど濃密な犬との蜜月でした 


✳︎

12月に入りモルヒネ系飲み薬を倍量にしても
痛みが取り除けなくなり
麻薬パッチに切り替える事にしました

ドクターも麻薬パッチは最強だから大丈夫と
言ってくれましたが…

最期の頼みの綱の麻薬パッチがもう効かない程

今の医療では痛みを取り除けない程

犬は盛大に痛み苦しみました


✳︎

モルヒネ系飲み薬も
麻薬パッチも効かない

私はこの時
いやもっと前に
安楽死を決断してあげればよかったと
今は本当に本当にそう思います

それでも最期は
穏やかに自然なカタチで旅立ってほしい

安楽死なんて選択したら
残された“私“が立ち直れないから

エゴが捨てられなかった事

安楽死を選んであげられなかった事

苦しみを長引かせてしまった事

✳︎

私がひとりぼっちになるから
心配で置いていけないと

その一心で生きたいと願う犬に
最期まで甘えて
重い足枷になってしまった事

ただただごめんねと
今も尚
安楽死を選ばなかった後悔の中にいます


✳︎

麻薬パッチが効かない為
軽い手術ができる注射を2時間おきにしました

それでも痛みから鳴き叫び続ける犬

それでも安楽死を選べない私

だってあったかいし
だって食べてくれるし

このまま寝て起きたら
悪い夢だったみたいに
元気になってくれるかもしれないし

そんな幼い夢を見てました


✳︎

手術が出来る程の痛み止めの注射も効かない犬

私は
「犬が生きたいと願っているのに
私が頑張らないのは違う
何かまだ出来る事はないですか?」と
ドクターに詰め寄りましたが

「苦しみから解放してあげる事も
○○さんが出来る事です」と。

ドクターから
最期の言葉の治療をして頂きました


✳︎

それでも安楽死の決断が出来ず
大きな手術が出来る程の麻酔を注射して貰い

ドクターと犬から最期の一晩を貰いました

その日は大雪で渋滞し
車で30分の道のりが
二時間以上かかり

麻酔が効いて
スースー寝ている温かい犬を膝に乗せて…

2人の20年8ヶ月の長い旅に
相応しい
最期のロングドライブとなりました


犬が最期に見た夜
小さな三日月


✳︎

麻酔が効いたまま
このまま眠ったように
旅立ってくれればと思いましたが

たった3時間で麻酔がきれて
また痛み苦しみ出しました

それでもロングドライブしながら

「ご飯食べさせて
お水飲ませてあげたかったな
体も拭いてあげたかったな」

と話したてのを
聞こえない耳で聞いていたかの様に…

✳︎

ご飯をシリンジで食べてくれて

水・ポカリ・りんごジュース・ぐんぐんグルトを
シリンジで飲んでくれて

ヨタヨタしながらも
おしっこシートで
最期かっこよく
おしっこを決めてくれて

温かい体を
綺麗に拭かせてくれて
ブラシをさせてくれて

朝方くっついて2人で寝て
安楽死の決断をしました

✳︎

混雑している病院でドクターは
私のタイミングを最大限に尊重して下さり

外で2人で
最期の空を見上げてお話して 
ただただ
大好きだよ
ありがとう
ごめんねと
繰り返して

昨晩の大雪が嘘の様に晴れ渡り
小さな虹も見て
診察室へと向かいました



✳︎

診察室で
確実に安楽死の麻酔が注射できる様
ルートを取り

私が椅子に座り
犬を抱っこしたまま旅立たせたいと言うと
ドクターが横に来て
膝立ちで座って下さり


私が「またね」と言って

ドクターが最期の処置
注射をしてくれました

✳︎


本当の本当に
びっくりする程
あっという間に旅立ってしまって

驚いて涙も引っ込むスピードで

たぶん犬も急に背中を押されて
新たな旅の道へと放り出されて
びっくりしただろうなあと思ってます

死んじゃった犬を
助手席に寝かせて
運転しながら見た空

雲が犬のカタチに見えました


✳︎

これが20年8ヶ月の犬と私の最期のお話

安楽死ってこんな感じ

安楽死って
最期ちょっと他の犬さんや猫さんと違って
ショートカットして送り出しちゃっただけ
それだけの事で


兎にも角にも大好きだから
痛みをとってあげただけ

それも愛と
私は呼ぶのです
呼びたいのです
呼ばせて下さい笑


✳︎

自然なカタチの最期ってなんだろう?
そう思います

これだけ散々医療の力を借りて

その子の体調にあった
療法食を食べさせて

不自然って言えば
不自然な事を積み重ねて生きて

最期だけ自然にって
ちょっと無理があるパターンもこれから先増えるかもしれないから…

✳︎

︎犬と私の物語が
誰かたった1人にでも届きます様に

安楽死を選んだ事を
大学病院のドクターから
“尊敬します“と言われました

安楽死を選んだ
私は
安楽死を選んだ
飼主さん達は

最期
精一杯の愛を使ったんだと
胸を張りましょう!

長文乱文
お読み頂いた方がもしいらしたら
良い事ありますように!

✳︎

2023.最期の秋


犬へ

貴方が力強く生き抜いた事

5.7万人の方が見守って下さった事
(Xで頂戴した「いいね」の数)


その事を胸に抱き自分を誇りなさい!

後ろなんて
私の事なんて
振り返らず前だけ見なさい!


痛くなく苦しくない
新しい体で
前へ進みなさい!


共に生きた
犬のカタチをした
素晴らしい命の事
私だけは覚えてるから
安心して前へ進みなさい!


私より


✳︎

犬と私の話が
沢山の方に届いたのも
(Xでの閲覧数1600万view以上)

犬からのギフト

私がすべき事は?


犬から与えられた
最後のギフトから

学び考え 生き続ける事

それが
人生をかけて解くべき私の宿題

採点基準も
正解も
私が決める
私の宿題

再会の時
犬に胸を張り
解答用紙を見せれるよう
生きるのだ!


→【安楽死だろうと自然死だろうと 『犬と私のあぶくの足跡』⑦】


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?