どうやらお墓には地域性があるらしい
今年は(も)お盆を避けてお墓参りに行ったので、このnoteはダラダラ自宅で書いています。
その代わりといってはなんですが、昨日は少しお仏壇のお掃除をしました。
今日になってお掃除の件を父に事後報告したら
「そういえば、昨日の夢にじいちゃんとばあちゃんが出たな」
と。
曽祖父と曽祖母はお寺の活動に熱心だったらしく、住職さんのご厚意で戒名のランクも他の先祖より上にしたくらい、というのをふと思い出しました。
脱線しましたが、ここからはお墓の話を。
お墓参りに行く習慣のある家もあれば、そういう習慣のない家もあると思います。
でもまあ、社会人だけど全くお墓なんて見た事がない、という方はどちらかといえば少ないのではないでしょうか。
ただ、お墓事情は人によってバラバラだと思います。
宗教が違えばお墓も変わるだろう、くらいの事はさすがに私も考えていました。
ですが、お墓に地域性があるというのは想像した事もなかったのです。
ご先祖様について調べ始めた事がそもそものきっかけです。
先祖調査において、比較的早い段階から簡単に試せる調査のひとつに「お墓の調査」というのがあります。
お墓というのは、言うまでもなくご先祖様のもの。よってお墓には何らかの形で先祖の痕跡が残されています。
問題はここからです。
どうやら、お墓には意外と「宗教および宗派の違い」「地域の違い」「先祖の考え方の違い」が強く出る様です。
これらについて考えた事がなかった私は、ある点で困惑してしまいました。
「墓誌」って何だ???
と。
ちなみに墓誌とはどうやらこういうものの様です。
どうやらこの風習は(まあ私は知りませんでしたが……)日本では一般的なものらしく、先祖調査のサイトなどにも「戸籍謄本とお墓にある故人のデータを見比べてみよう」という話がよく出て来ます。
ですが、私の知る新潟のお墓にはせいぜい、建立した人物とその年月日、他は先祖代々之墓とか○○家之墓としか記されていない、と感じていました。
実際何度見てみても、戒名だとか没年月日だとかの詳細なデータがお墓には見当たらないのです。
その謎はこちらの六右衛門さんのツイート(当時はツイートだったんだよ!)で完全に解けました。
(何でだろう、リンク上手く行かない)(寄せられていたリプライの情報も参考になるのに……)
要するに、一部地域のお墓には、そもそも墓誌がないのです。
父に「墓誌って知ってる? お墓の」とたずねたところ、案の定「ボシ? 何じゃそりゃ」という返答でした。
当たり前です。父も新潟の人間ですから、多分見た事がないのです。
説明しても、何しろ見た事がないものですから、「本当にそんなものがあるのか?」と半信半疑状態でした。
(余談ですが、父は私が知らない父父父の実家のお墓にも昔何度かお墓参りに行っていた様ですが、父のこの反応からすると、そこにもなかったのだろうと推測されますね)
これには結構びっくりしました。
当たり前とすらいちいち思わないくらい当たり前に感じていた事が、実際は全然当たり前ではなかったからです。
言葉とか、チェーン店の分布とか、学校の細かいルールとか、そういうのはテレビやインターネットで話題になる事も多く、気付きやすいテーマなんですけどね〜。
そもそもお墓とか宗派とか、あんまりきちんと知らないなぁと再確認した私は、たまにネットでお墓の事などを軽く調べる様になりました。
そこでまた衝撃の事実を知ります。
皆様は、「ろうそくの色」で何色を思い浮かべるでしょうか。
「白以外に何がある?」と思う方、もしくは誕生日ケーキの色とりどりな様子を思い浮かべる方が大半ではないでしょうか。
推測ですが、一部地域ではこの回答に多分「赤」がちらほら混じると思います。
というのも、私はお盆に使うろうそくといえば「赤いろうそく」だとばかり思っていたからです。
お墓参りでお寺に行くと、いつも赤いろうそくを使った痕跡が点々と、やたら鮮やかに残っている。
それが私にとっては夏の風物詩だと思っていた訳です。
しかしどうやら全国的には違うらしい。
というか、赤いろうそくといえばせいぜい「赤いろうそくと人魚」が挙がる程度らしい。
「え? マジ?」と焦った私は、赤いろうそくの事を色々ググった。ググりましたとも。
どうやら確かに一般的ではないらしい。
「赤いろうそく どこに売ってる」という検索ワードまである。
こんな記述を見付けました。
ふ、不思議だなー!?
じゃあ私が見ていたたくさんの赤いろうそくは一体……!?
と思いましたが、私は薄々勘付いていました。
これもきっと地域によるのです。
さて、いくつかの大手ホームセンターさんで、カテゴリ「ろうそく」を見てみましょう。
株式会社カインズ(本社:埼玉県本庄市)
まるで一面雪国。白いろうそくばかりですね。
株式会社ケーヨー(本社:千葉県千葉市)
こちらでろうそくと検索しても、仏事用の赤いろうそくは見当たらず。
コーナン商事株式会社(本社:大阪府大阪市)
ケーヨーさんと同じく、仏事用の赤いろうそくらしき物は見当たらない。
さて、ここからです。
株式会社コメリ(本社:新潟県新潟市)
あ、赤いろうそくがあるー!!
単品や、お線香とのセット商品など、白いろうそく以外にも数点赤いろうそくの取り扱いがありました!
どうやらいつも購入している「赤いろうそく」は富山県の会社の物。
新潟県のお隣、富山県では「和ろうそく」が名産品の様です。
赤いろうそくもありますね!これは可愛い!
話は戻りますが、お隣富山県も、新潟県と同じく「墓誌がない」文化の模様。
もしかしたら赤いろうそくの件とも何か関係があるのかも知れません。
これも話が戻りますが、そもそも「赤いろうそく」を使う事が多いのは主に「浄土真宗」だそうです。
実は新潟で多い宗派は「浄土真宗」といわれています。
ただ、我が家の現在のお墓は真言宗のお寺にありますが、赤いろうそくを普通に使っています。
前述した通り、私の曽祖父母はお寺の活動には熱心に参加していた人々。
もし赤いろうそくの使用をマナー違反とする雰囲気があったなら、きっと曽祖父母は気付いていたはずです。
推測ですが、地域に浄土真宗のお寺が多い事から、自然と他宗派のお寺にも赤いろうそくを使う習慣が伝わり、知らず知らずのうちに一般化したのではないでしょうか。
基本的にあまり近しい人のお墓以外には行かないでしょうから、他地域のお墓同士を見比べるという事をする機会はないかも知れませんが、調べてみると意外な発見があるかも……?
これは私もネット情報でしか知りませんが、九州のお墓の文字は「金色」なんだそうですよ〜。
圧巻ですね!
先祖調査でも、人によっては様々な地域に先祖の墓が散らばっているという事があるかと思います。
時には見慣れない文化風習がお墓に出ていて面食らうかも知れませんが、そんな時にはちょっと調べてみると納得出来るかもですね!
蛇足ですが、「赤いろうそくと人魚」の著者・小川未明氏は新潟の上越市出身だそうです。
このお話では最後、赤いろうそく=不幸、不吉なイメージになってしまいましたが、浄土真宗では赤いろうそくをむしろポジティブなイメージで使うそう。
家族の為にせっせと白いろうそくに赤で絵を描き続け、最後は描く時間も与えられず、ただ赤く塗っただけのろうそくを残す。
最初に読んだ時は「よく分からないけど物悲しい話だなあ」くらいに思いましたが。
・赤いろうそくは一般的ではない
・一般的ではないが、宗派によっては赤いろうそくをおめでたい時に使う
というのが頭に入ると、もっと色々考えさせられる話かも知れませんね。
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