「グルテン不耐症」と診断された時のこと
2025年ものんびりnoteを続けていきたいと思いますので、時々のぞいていただけると嬉しいです。
今年最初の投稿は、ちょうど2年前。
私がパン屋だった時の話。
パン屋を終える一つの要因ともなった
「グルテン不耐症(過敏症)」と診断された時の出来事です。
これはあくまでも、私の個人的な経験です。その人によって症状は様々だと思いますので、一つの例として見ていただければと思います。
同じような悩みを持っている方だけではなく、グルテン不耐症について知らない方にも知っていただくきっかけになるといいなと思い、書くことにしました。
体調に異変を感じてから
パン屋を初めて1年ほどが経った2023年1月。
それは突然でした。
夜ご飯にパスタを食べて30分後に腹痛。
吐き気、貧血の症状がありました。
次の日の朝には症状が治まっていたので、
朝ごはんにパンを食べると
その10分後にまた腹痛、吐き気、貧血、が起きてそのまま3日間寝込んでしまいました。
呼吸器症状や発熱はなかったのですが、顔に小さな湿疹が出ていたので、もしかして原因は小麦アレルギー?と思いアレルギー科を受診。
小麦、グルテン、グリアジンのアレルギー検査を受けました。
検査の結果、全て数値は0.10未満だったのでアレルギーではありませんでした。
「もしかするとグルテン不耐症かもしれないですね。最近増えてますよ。」とお医者様。
グルテン不耐症はアレルギーとはまた別のものだと説明を受けました。
アレルギーが陰性でも、グルテンを摂取すると身体に不調が現れるのがグルテン不耐症とのこでした。
消化器内科の受診を勧められたので、その後受診。
消化器内科では胃と腸のカメラの検査・腸の粘膜の検査・血液検査等を行い、クローン病、セリアック病の可能性なども視野に入れて検査していただきました。
私の症状や小腸の炎症の数値などから
「グルテン不耐症(過敏症)」と診断を受けました
セリアック病の可能性もあるとのことでしたが、セリアック病の確定診断を出すには、さらに精密な検査と高額な検査費用が掛かるため、日本人で確定診断されている人は、ほとんどいないそうです(日本人の約0.05%だとか)。
私の場合、症状も落ちついていたため検査はおすすめしないとのことでした。
なので、私の検査はここまで。
とにかく、
不調の原因が小麦グルテンだったという事がわかっただけでも安心しました。
治療に関しては、グルテンを含む食品を摂取しないというのが一番。
アレルギーではないので、調味料に含まれているくらいの小麦の量であれば摂取は可能とのこと。
特に治す薬はなく、腸の動きを落ち着かせる薬を処方されるだけでした。
あとは、3年に1回は胃と腸のカメラ検査を行うのを勧められました。
検査期間中から小麦を摂取していなかったので、症状は落ち着いていました。やっぱり小麦が原因だったか…と。
帰り道の頭の中はパン屋はどうしよう、これからの食事はどうしようということばかり考えていました…
病院のあと
帰宅して、頭の中を一旦整理してから
家族に小麦が食べられなくなったことを伝えました。
母は、私と一緒に行きたい天ぷら屋さんがあったようで、「治ったら一緒に行こうね」と言われました。
グルテン不耐症はグルテンを摂取しないことが一番の治療なので切なくなりましたが、母はなぜだか私より前向きで、治ると思っているようでした。
食事は、すぐお米中心に切り替えました。お米は好きなので苦ではありませんでしたが思ったよりも、小麦を使うレシピが多いことに気づき最初は大変でした。
お菓子などもほとんどが小麦…
小麦アレルギーの方の中には、ライ麦やスペルト小麦は食べられる方もいるようですが、ライ麦やスペルト小麦にもグルテンは少量含まれているため、一応試してみましたがすぐにお腹を下したので摂取できず…
特に外食は食べられるものが限られるので、お店選びも一苦労。
アレルギーのある方の気持ちがその時初めてわかりました。
そんな中、グルテンを抜いてからまた小麦が食べられるようになった方もいると聞いて、グルテンを抜いてから1か月後にパンを食べてみたのですが、その30分後には腹痛が襲ってきたのでやはり体質に合わないようでした。
でも、食べられるようになる方もいるというのは希望になりますよね。
小麦が食べられなくなる日は突然やってくる!
私のように小麦を過剰摂取する方はあまりいないと思いますが、大人になってから、こういうことになるのは辛いと思うので、皆さまはお気をつけください。
小麦を扱うお仕事をされている方は小麦アレルギーやグルテン不耐症になるリスクは自然と高まるようなので、職業病とも言われるほど。(全く大丈夫です!という方も同業者でいました)
私も、いつかなるかもしれないと思っていましたが、まさかこんなに早く食べられなくなるとは思ってもいませんでした。なりやすい人となりにくい人は遺伝子や体質の違いもあるかもしれません。
小麦の摂取量に気をつけたり、マスクや手袋を着用するなどの対策もあるようです。
ちなみに私は全くやっていませんでした…
小麦の過剰摂取は、私の職業がパン屋になる1年前くらいから始まっていました。
パン屋になるために、北海道のパン屋さんのパンを食べつくしたい!
なんなら、道外の有名パン屋さんのパンも食べてみたい!という気持ちから、パンのお取り寄せやパン巡りが趣味になりつつあり、自宅でもパンを作って毎食パンでした。
パン以外にも、パスタやうどんも大好きだったので食べます。おやつもパウンドケーキやクッキーたまに菓子パンを食べましたし、外食は必ず大好きなピッツェリアへ。
量も普通ではなくて、パン屋さんのパンがおいしすぎてつい食べ過ぎてしまう。パン好きの方にはわかると思いますが、小麦って中毒性がありますよね。一口食べると止まらない!!
そこから、パン屋になると、普段の小麦の食事にプラス売れ残ったパンも食べる。パンの試食もする…となり、体がもう無理だよ~と悲鳴をあげたのだと思います。小麦の容量オーバーでした。これはもう自業自得。
とにかく、小麦に限らずどんな食べ物でも、食べすぎはダメですね。毎日ではなくても、1日だけでも胃や腸を休める時間は必要だという事です。
小麦の摂取をやめてから…
小麦を摂取しなくなって良かったことは、体調が回復したこと。
そして、食べられないものがあることにより、今まで感じたことのなかった食べることへの喜びを感じることができました。
「小麦が食べられないと大変だよね?」と言われることもありますが、今は米粉やグルテンフリーの商品がたくさんあるので、食事の幅も広がり、新しい食の世界を楽しんでいます。
ひとつ言えるとしたら、外食先でグルテンフリーメニューがもっと増えると嬉しいなと。
そしてなぜか、グルテン不耐症になってから体質が変わってしまったようで…
私の場合はコーヒー・お茶などに含まれるカフェインやビールも摂取すると具合いが悪くなるようになってしまいました。
大好きなコーヒー屋さんにも行けなくなったのは悲しかったですが、美味しいカフェインレスコーヒーも増えているので今はそれを飲んでいます。
そして、小麦が摂取できないことを相手へ伝える時に「小麦が食べられなくて…」と言うと「アレルギーなのですね」とすぐに理解していただけるので認知されているのは有り難いです。
でも「アレルギーではなくグルテン不耐症(過敏症)です」と言い直すと「グルテン不耐症ってなんですか?」と話しがややこしくなるため、そのままアレルギーとしていましたが…
私の正式な症状は『グルテン不耐症』であることをこの場でお伝えいたしました。
小麦が身体に合わないというのはアレルギーもグルテン不耐症も共通点なので、どちらで理解していただいても大丈夫です。
ただ、症状の現れ方が異なるため、グルテン不耐症というのもあるのだなと知っていただけたらと思います。
長くなりましたが、こんな感じで私はちょうど2年前に突然小麦が食べられなくなりました。
同じような経験をされた方もいらっしゃると思いますが、私はこの経験を今は前向きにとらえています。
1人じゃないです。食べることを共に楽しんでいきましょう。