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これからの時代必要な『伴走支援と実行者』

伴走支援、という言葉がある。

とあるページから引用させていただくと、

●あくまで走る主体は当事者であり、伴走者は当事者が走れるように支援する
●伴走者は特定の専門性を発揮するのではなく、包括的に支援する
●当事者と対話を重ねながら、最終的には自走を目指す

とある。アドバイザーやコンサルティングとは何が違うのか。それは、包括的支援とかのキーワードくらいしか違いが無いように見える。

しかし、これからの時代の伴走支援は異なっていくだろう。

私は、農業漁業者をはじめとした事業者、流通業者、自治体のアドバイザーを務めているが、今後は『伴走支援』をしていこうと思っている。

これからの時代は、専門家から事業者へアドバイス・コンサルティングをしていく(事業の結果に責任を原則取らない)だけでは物事は進まないと思う。特に、地方自治体はこれから大きくその姿や仕事の仕方を変える時代になってきている。官民共創などの言葉にもみられるように、『ともに汗をかく(出資を含めて)、成果を生み出す、成果は(それが金銭的利益かどうかはともかく)分け合う』という形が自治体と民間企業、事業者への支援などのスキームで生まれてくるだろう。

簡易的に説明すると、
(A)
●自治体が課題を考える→仕様書を書く→民間に事業として任せる
●行政が支援スキームを考える→然るべき人間をアドバイザーとして事業者に派遣する→適切なアドバイスを与える(農林事業者の支援など)

という形から、
(B)
●自治体が民間事業者もしくは個人と『連携して課題の解決方向性を検討し』→『官民連携した課題解決の道のりを検討し』→『ともに課題解決のための行動を実施していく』
※課題が解決するために投資する資本は民間が出したり、ソーシャルインパクトボンドを活用したり、行政が一定額を積み立てて民間がその資金を預かってプロジェクトのために利用し、その金銭的成果は行政に収める、などなどの金融手法が行われていくだろう。場合によっては共同事業体を立ち上げ官民連携して出資して動いていくこともあるだろう。

●行政が、民間事業者や個人と『連携して業界全体の課題の解決方向性を検討し』→然るべき事業者や個人が事業者に伴走支援を実施し、場合によってはその伴走支援者が支援先の事業者に出資したり役員になることでさらにその伴走支援のコミット具合を上げていき、最終的には支援先事業者の大きな成長を生み出していく。

こういった流れが産まれてくると思われる。というより、そうしなければならないだろう。

なぜなら(A)のスキームではアドバイザーや委託事業者に金銭的利益が産まれても、
・根本的な課題解決にならない(行政の考える支援スキームや課題の立て方が不十分なことがある)
・委託事業者が『ビジネス』として取り組むことで『問題の固定化が産まれる⇒その解決をするという名目を生業にする人間が出て、結果問題の根本的解決にならない』
※今話題のcolaboの弱者ビジネスなどにはこのような理由があると思う。
また、オリンピックのような巨大なプロジェクトに多くの企業が寄ってたかるような事例を説明するまでもなく、委託事業の在り方は今後変わる必要があると思う。
・1年単位のプロジェクトになり、連続性が産まれない。得られたスキームやノウハウが次に活きにくい。

ということがある。しかし、実際に手足頭を動かす民間もそれ相応の利益が発生しないと動けない。そのため、資金面の確保や社会的課題が解決した先で得られるビジネスの果実を得られるようにしなければ真剣に動ける人材・組織の支援が得られない。

現在のところ、このようなスキームを作ろうという声は着実に大きくなっている。官民連携や自治体の変革を促す団体はどんどん増えている(私の友人の幾人かがこの動きをしている)。

しかし、今から必要なのは『その新しいスキームの中で、自治体や事業者に場伴走支援を取り組んでいくことができる組織・個人』が圧倒的に少なすぎることだと思う。

新しいプラットフォームが必要ではあるが、その中でしっかりと動ける人材はおそらく日本にそうはいない。地域で商社を立ち上げ頑張っている人、町おこしで頑張っている人などで、すでに実績を持ち他の地域に入って事業者や自治体と伴走支援をできる人は、既に事業を抱えていたりする。当面は、そういった人たちが自分の時間を削って新しいプラットフォームの中で自治体に伴走支援をしていくこととは思うが。
地方創生で前々から思っていることだが、プレイヤーの数は一定数いたり、新しい概念やプラットフォームを作ろうという動きをする人は多いのだが、その中間の層、他人のために伴走支援をできる幅広い知識と実行力を持った人の数が圧倒的に足りないとみている。この層を厚くしていくためには、先ほど指摘した金融面の整備が行われ、伴走支援者が然るべき時間を確保するための収入面を当面は確保しつつ、将来的には伴走先の事業に投資して成果を得られるようにすることを法律面で整備していくことなどが必要ではないだろうか(現在だと、例えば私のような6次産業化プランナーが支援先の事業者と支援期間中に何らかのビジネスをやることは推奨されていないが、むしろ積極的にコラボレーションさせるように働きかけるような仕組みが必要だと思う)

もちろんそのような「新しいタイプの伴走支援者」に対しての第3者チェックは欠かせないわけだが、中途半端な支援などでうまくいかなかったプロジェクトが多い地域活性化の失敗をこれ以上増やさないためにも、数年、あるいは10年単位で伴走支援を可能とする形が今後必要であると思っている。そして自分がその伴走支援者のモデルケースになれればと思って、今年度は活動していきたい。

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