ジミー・カーター元大統領とウチの母
いやあ、アメリカのジミー・カーター元大統領とウチの母を同じ行に並べるのは、ちょっとおこがましいのだけれど、いささかの共通点はある。第39代アメリカ大統領をつとめたカーター氏。退任後も国内では貧困層のための住宅建設ボランティアで自ら木材を運び、平和活動や医療の向上で世界中を飛び回った(ここは母とぜんぜん違う)。
上の写真は2015年8月20日に皮膚がんのメラノーマが体内に転移していることを発表した時のもの(Credit: The Carter Center提供)。この時すでに90歳だったけど、免疫チェックポイント阻害薬と放射線療法が効いて、また元気になった。その後も精力的に慈善活動を続けていたけど、お年なだけに転倒骨折したり、尿路感染症にかかったりして、2023年2月には自宅ホスピスの道を選んだ。
同年秋には認知症を患っていた奥さんのロザリンを亡くし、葬儀に姿をみせた99歳のカーター元大統領は、車椅子ですでにほぼ動けない様子だった。その後も、ほとんど眠っているという報道があったが、今年10月、カーター元大統領は100歳を迎えた。そして、なんと昨日は郵送で大統領選挙の投票まで済ませたとCNNが伝えていたのだから、驚きだ。
さて、カーター元大統領とウチの母にほんの少し共通点があるとしたら、がんに罹って(母は大腸がん)、治療もしたけど転移もして、まあ治療はもういいだろうということで、ホスピス型高齢者施設に入ったのだけれど、生き続けているということ。
母の場合はホスピスで、まる2年が過ぎようとしている。88歳で自治体から長寿のお祝いをもらってしまった。2年前は昼も夜も区別がつかないほど、認知機能が落ちていたのに、生活リズムが整い、栄養状態が良くなったことで、なんだか頭もずっとクリアになっているみたい。
高齢者の場合は、生来の体の強さが大きく関係するのだろうし、治療というよりも、施設で(カーターさんの場合は自宅で)生活を支えてもらっていることが大きいんだろうな。
それでも二人とも、ゆっくりと人生を終える方向に進んでいることは確かだ。それがいつかは誰にもわからないことだけど、さすがにこの段階になると、いろいろと失うことの方が多いから、あまりがんばらないで済むほうがいいかなと、私は思ってしまう。