夏仕様の家に住む人の恐怖
私が住むテキサス州ダラス市は米国南部なので、最近じゃ春から秋にかけては連日5カ月も気温が40度超えだったりする。冬はだいたい東京と同じ感じで、シーズン中に1回か2回、とても寒い数日が訪れる。ただしこちらも最近じゃ、寒いなんてもんじゃなくて、昼間も氷点下を脱出できない日が続く。
もちろん米国には、もっと寒い地域が沢山あるし、日本だってそう。問題は、私が住んでいる家が100年以上前に冷房のない暑い夏だけを念頭に建てられた家なので、床下のむき出しの水道管がすぐ凍ること。凍結確実の日々は目前だ。
今回は、雪はそんなに降りそうもなく、ソーラー発電が多いので停電の心配もなさそう。だから2021年の2月よりはずっとましなはずだけど。
それでも過去4年に3回、水道管を凍結破裂させ、そのたびに氷とともに1000ドル(今じゃ14万円くらい?)ほどの修理費用を溶かしてきた。前回、水道屋さんに凍結対策を聞いたら、1万ドル(140万円か?)ほどかけて床下の水道管にケースをつけるか、氷点下を脱出するまで家にあるすべての蛇口とシャワーから水をジャージャーと、本気でだしっぱにするしかないと言われた。
床下工事はしていないし、丸4日間、本気で水だしっぱにするのも嫌だしということで、配偶者が今回は氷点下になる前に、外にある元栓を閉めると宣言した。閉めた時点で、我が家は水道が使えなくなる。元栓閉める前にトイレ用水を確保しなければ。シャワーは近所のスポーツジム頼み。
アメリカは1月2日から通常営業~とばかりに、年末におせちを準備したりしない私だが、いまや断水に向けて4日分の料理をこさえている。パンを(パン焼き機が)焼き、ご飯とパンケーキは冷凍保存、おかずはレンチンで温めるだけで食べられるもの。豆カレー、とん汁、酢豚、焼きそば、チリコンカン、パスタサラダ。めちゃめちゃだが、贅沢を言っている場合ではない。
路面が凍らなければ、昼間は外に食べにも行けるけど、配偶者がコレステロールを下げるためにビーガン食にしているので、外はかえって面倒なのだ。ちなみにとん汁も豚抜き、酢豚は豚の代わりに厚揚げ。チリコンカンも大豆ミートみたいなやつが入ったバージョン。とほほ。
話はちょっと変わるけど、大都市よりは物価が安いという理由で、この数年は企業も人もどんどんテキサス州に移ってくる傾向にあり、2100年までにはアメリカを代表する大都市は、ダラス、ヒューストン、オースティンが、ニューヨークシティ、ロサンゼルス、シカゴにとって代わるという予測もある。
いや、そんな先の話、私、生きていないしー。氷点下になるたびにキャンプ生活もどきをしている私には、想像もつかない。あ、でもこの辺でもほとんどの人はもっと新しい建物に住んでいるので、キャンプ生活じゃないと思う。私ってアメリカでも昭和生活をひきずっているのかなあ。
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