大腸がん(特に直腸がん)が心配な人に覚えておいてほしいこと
男女ともに大腸がんが増えています。がん検診(検便または大腸内視鏡)でほとんど予防と早期発見ができます。内視鏡は下剤をのむなどの準備があるので敬遠されがちだけど、ポリープの段階なら検査と同時に切除もできて、とても効果的です。
他の臓器に転移する前なら、手術と化学療法や放射線療法で治すことも可能。ただし、肛門に近い直腸にできたがんの手術では、早期であっても、その後に排便障害に悩まされることも多いんです。
今のがん治療では、腫瘍ができた場所だけではなく、腫瘍の特徴を遺伝子レベルで調べて最適な治療を選ぶ「個別化医療」が広がっています。米国で最近の大きなニュースは、ミスマッチ修復機構が欠けた大腸がん患者には、抗PD-1抗体薬(免疫療法)が驚くほどよく効くというもの。
ニューヨークのメモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの研究者が、ステージ2、3の直腸がん患者を抗PD-1抗体薬で治療するという治験をしたら、6カ月以内でがんが消えて、手術もその他の治療も不要なまま、今のところは再発もなしという、驚くべき結果が。
オプジーボという日本発の抗PD-1抗体薬もあるので、国立がん研究所で同じような治験をはじめています。手術せずにすめば、排便障害などの後遺症に悩まされることもなくなります。
ただし、このミスマッチ修復機構が欠けた直腸がんに該当する事例って、日本では年間700件くらいだそうで、MSI検査というのをしてみないと自分が該当するかどうかはわかりません。それでも免疫療法による治療が確立すれば、毎年700人、10年で7000人の生活が変わるかもしれない。
国立がん研究所で治験をやっている先生に取材したので、詳しく知りたい人はこちらの記事を、ぜひ読んでみて下さい。あ、ちなみに直腸がんじゃなくて、結腸がんの人もMSI検査をしてもらうべき。ミスマッチ修復機構が欠けている人には、従来の化学療法は効きにくいのだけど、やはり免疫療法が良く効くそうなので。
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