滅茶苦茶紛らわしいWindowsのエディション・プロダクトキー等々の話
Windowsが入っている、または入っていた古いノートPCやデスクトップPCには、メーカー製のものであれば、プロダクトキーが物理的に張り付けられているのをよく見るかと思います。
ですが、よくプロダクトキーについて誤解していたり、間違った使い方をしている人をよく見かけます。
ということで今回は、Windowsのプロダクトキーやエディションについて、解説していこうと思います。
Windowsのプロダクトキーについて
Windowsのプロダクトシールを見ると、例えば
Windows 7 Home Premium OEM Software
ProductKey: xxxxx-xxxxx-xxxxx-xxxxx-xxxxx
というように、プロダクトキー以外に、OSの種類も記載されています。
ここでHomeやPro、はたまたEnterpriseなど、そのPCに使用されている/されていたOSのエディションがわかります。
しかし、これをどこまでなら使えるのかがわかる人はあまりいないと思います。
そしてWindowsのエディション以外にも、「OEM Software」のようなぱっと見何のことだかわからない文言もあります。
実はこれは、Windowsが"どこまでで使えるのか"というのがわかる、意外と大事な線引きのようなものなのです。
まず最初に、Windowsのプロダクトキーの「使える範囲」について解説していこうと思います。
Windowsのライセンスの種類
Windowsのライセンスの種類には、
フルパッケージ版(FPP版)
OEMライセンス
ボリュームライセンス(VL版)
DSP版
の主に4種類があります。
フルパッケージ版(FPP版)
フルパッケージ版(FPP版)は、主に個人に向けた、単体でのライセンスです。
長所は、PC単体ではなく購入者にライセンスが付与されるため、一つ購入すれば複数のPCに適用されることです。
短所は、高額なことや、格安で偽物が売られていることが多いことです。
OEMライセンス
OEMライセンスは、PCの製造企業が購入し、各PCごとに付与する形で提供されるライセンスです。
長所は、ライセンスが適用されているPCへ、同じOSをクリーンインストールする時、ライセンスを購入せずともそのPCに元からついているライセンスで使用することができる点です。
短所は、付与されたPC以外には利用できないため、PCが故障し、起動不可能になった場合はライセンスが使用できなくなること、ライセンスを付与されていないほかのPCで使用することが不可能な点です。
ボリュームライセンス(VL版)
ボリュームライセンスは、企業が指定の台数のPCをメーカに注文するとき、一括して会社側で管理されるライセンスです。
長所は、値段が他のライセンスに比べて格安になることです。
短所は、個人利用ができない点です。
一部の怪しい中古PCや中華製のPCには、このライセンスが不当に使われていることがあるので、そういったPCを購入する際には気を付けておきましょう。
DSP版
DSP版は、個人が自作PCパーツを購入した際に併せてパーツ自体に付属するライセンスです。
以前は格安でOSを購入するために、DSPライセンスが付与されたフロッピーディスクドライブのようなものを購入し、組み込んで使うといったことがありました。
現在では寧ろFPP版よりもDSP版の方が高いということがあったり、インストールメディアもFPP版ではUSBメモリですが、DSP版ではDVDであるという点などから、ほとんど見かけなくなりました。
各ライセンスの利用許可範囲
上記のライセンスの利用可能な範囲についてです。
フルパッケージ版(FPP版)
1台のPCのみ、64bit/32bitが選択できる場合はどちらか片方
OEMライセンス
OEMがライセンスを付与したPC1台のみ
ボリュームライセンス(VL版)
企業が管理している時点での指定のPC
DSP版
ライセンスが付与されているパーツを組み込んだPC1台のみ
各ライセンスのよくある禁止事項
よく見かける禁止事項についてです。
禁止されているだけでなく、そもそもライセンス認証ができないなど、
「折角中古PC買ったのにライセンス認証できない」なんて本末転倒なことが起きないためにも注意しておく必要があります。
フルパッケージ版(FPP版)
1つのフルパッケージ版ライセンスで複数のPCをインストールして同時に使用する
OEMライセンス
買った中古PCやジャンクPCについているプロダクトシールのプロダクトキーを別のPCのインストールに使用する
ボリュームライセンス(VL版)
会社でVLを付与されて使用されていたPCのライセンス連携が企業で切られたPCを個人で同じプロダクトキーを利用して使用する
VLのプロダクトキーを使用してOSをインストールする
DSP版
パーツを使用していないPCでパーツに付与されたプロダクトキーを使用する