「賀茂の厳神」コース
スケジュール
京都駅(9時集合)→今出川駅→北野天満宮→平野神社→大将軍八神社→晴明神社→白峯神宮→(昼食)→幸神社→出雲寺→上御霊神社→下鴨神社→上賀茂神社→北山駅→京都駅(18時解散予定)
※時間の都合上、下賀茂神社で終了となる可能性があります。
見どころ
北野天満宮
菅原道真公を祀る天満宮(天神社)の総本社。色鮮やかな本殿(国宝)をはじめ。50もの境内摂社や神楽殿、宝物殿などが並ぶ。宝物殿には「北野天神縁起絵巻」(国宝)や銘刀「鬼切丸(髭切)」(重要文化財)など、重要な宝物が多数収蔵されている。
平野神社
御祭神は今木皇大神(いまきすめおおかみ)、久度大神(くどのおおかみ)、古開大神(ふるあきのおおかみ)、比賣大神(ひめのおおかみ)。
北野天満宮のすぐ北に鎮座する古社。貞観6年(864)に正一位という最高の神階を授けられた。全国唯一の皇太子御親祭が定められ、宮中神と同格の扱いを受けていた。
大将軍八神社
延暦13年(794)平安京遷都の際、桓武天皇の勅願によって奈良・春日山麓より大将軍神を平安京大内裏の北西角(陰陽道の天門)に勧請したのが始まり。大将軍神はいわゆる「方違い」などに関係する「星神」。
晴明神社
陰陽師・安倍晴明を祀る神社。境内には晴明が式神を待機させたという「一條戻り橋」がある。今年の大河ドラマと同時代ということで、人気が高まっている。
白峯神宮
慶応4年(明治元年)に讃岐・坂出から崇徳(すとく)天皇の御霊を迎えて祀った神社。崇徳天皇は政争で敗れ、国家転覆の呪いを吐きながら亡くなった大怨霊であり、徳川幕府を倒すために明治クーデター政府が怨霊を祀って味方に付けるという「御霊信仰」を理解していた傍証になり得る場所として極めて重要。
幸神社(さいのかみやしろ)
京都御所のすぐ北の住宅街に鎮座する小さな神社。御祭神の猿田彦神と「幸」の関係が非常に興味深い神社。
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コラム・「塞の神」と「猿田彦神」と「幸」について
「さいのかみ」、あるいは「さえのかみ」と読みます。領域(ムラ)の入り口などにあり、悪いモノを遮り、良いモノは通すという性質を持ちます。「道祖神(どうそじん)」とも呼ばれます。その性質から猿田彦神とも同一視されます。
猿田彦神は、日本神話において「導きの神」として知られていますが、同時に「道塞ぎの神」でもあるのです。
…と、ここまでは一般的な猿田彦神の認識です。ここからは、更に深い猿田彦神の話をさせていただきます。猿田彦神には、「導きの神」の他にも大事な性質があります。その一つが「太陽神」です。というのも、その登場時の描写には「上は天界を照らし、下は地上を照らす」と書いてあるのです。どこから見ても太陽そのものです。それにも関わらず、伊勢で信仰されていた太陽神としての猿田彦神は完全に表舞台から消されています。
話変わって、「幸」についてです。今の「幸せ」という言葉からは想像もできませんが、「幸」という漢字の本来の意味は「手枷」、つまり拘束具なのです。それがなぜ「幸せ」になるかというと「最悪の死刑なんかと比べると手枷くらいで済んで幸せだね」という話なのです。
さらに「海の幸、山の幸」の「サチ」の話もさせていただきます。皆さんは、「海の幸、山の幸」が、「どの段階でサチと呼ばれるのか」を考えたことはありますか?例えば、猪や鹿が野山を駆け巡っている時点では「サチ」とは呼ばれません。捕獲され、我々の口に入る「ニク」になった時点で初めて「サチ」と呼ばれるのです。そう、「幸」という漢字には「死」「殺害」の意味が内包されているのです。
つまり、「幸神社」の御祭神である猿田彦神は「(拘束具で)動きを封じられた神」であり、もっと言えば「殺害された神」なのです。
この辺りの話は拙著『「祝う」と「呪う」は同じモノ?~コトバでみる歴史裏話~』をご参考ください。
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出雲寺
幸神社のほど近くにある寺で、「怨霊の寺」として有名。古代出雲の民の悲劇の名残を留める場所。
上御霊神社
出雲寺のすぐ近くにある神社。その名の通り八柱の御霊=怨霊を祀っている。特に崇道天皇(早良親王)を祀ったのが最初とされる。
下鴨神社
正式には賀茂御祖(かもみおや)神社。東西の両本殿はいずれも国宝に指定されている。
西殿:賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)
東殿:玉依姫命(たまよりひめのみこと)
糺の森周辺の発掘調査では縄文時代からの土器などが発見され、遥か古代から信仰の場であったことが伺える。
また、みたらし団子発祥の地と言われている。
連理の賢木(れんりのさかき)
境内の「相生社」に生えている御神木。2本の木が1本に結ばれていることから、縁結びの神として信仰を集めている。なお、現在のものは5代目にあたる。
上賀茂神社
正式には賀茂別雷神社。世界遺産に指定されている。賀茂氏の姫である賀茂玉依姫の丹塗り矢神話が有名。
御祭神の賀茂別雷神(かもわけいかづちのかみ)は、松尾大社の大山咋神の御子神。
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