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『歌詞の詩』

足の下には雲
口の前には声
頭の上には月

脳内の星空で何回、月の真下に立っただろう

足の下には地
唇の間には縫い目
手を伸ばしても背景

光の粉を降りそそぐんだ
ちがった。
私はこっち。まだこっち

月の真下への足跡は
音を鳴らせ。葉を散らせ。
心臓の皮を剥ぎ、水面を破る。
暗くて重い水の中で、口から吐いた泡を掴む。

水でいっぱいの耳から聴こえる
切り絵の文字で描く五線譜

カッターナイフの後の切れ端も
全部、全部
耳の絆創膏

机から手の平でする掃き掃除の残り紙も
全部、全部
耳の絆創膏

真夜中の散歩で石ころを蹴った
画面の向こうの足に、コツン


2024 1.31 2:22

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