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言葉と進め(「ローカルベンチャーシップin新潟 season0」参加レポート)

こんにちは。野口悟です。10月からこの12月末までの3か月間、inquiry(合同会社)主催の「ローカルベンチャーシップin新潟 season0」(以下、LVSと略します。)という事業に参加し、ザツダン㈱という会社の新規事業に伴走していました。

私がこの経験を糧として進むため、
この3か月を通じてお世話になった方々に感謝を伝えるため、
決して背伸びのない言葉で、私の活動や感想・学びを残します。

さて、この記事はこんな人にお勧めです。

・「ローカルベンチャーシップin新潟 season0」について知りたい方
・自身の成長の機会を探す大学生・若手社会人の方

長くなりますが、お付き合いいただければ幸いです。

1.「ローカルベンチャーシップ(LVS)」とザツダン㈱

「ローカルベンチャーシップ(LVS)」

まずはLVSにそのものについての話から。事業の内容について、代表の山本一輝さん(Inquiry合同会社CEO)の言葉をお借りして説明すると、

ローカルベンチャーシップは、経営者自身が自社の経営課題を題材にした実験的プロジェクトにコミットしていただき、相棒となる外部人材(ベンチャーバディ)とタッグを組み、3か月間プロジェクトに取り組むというPBL(プロジェクトベースドラーニング)型講座です。

というものです。事業の背景・詳細な内容についてはぜひ山本さんのnote記事をご覧ください。

つまり、今回は私が外部人材(ベンチャーバディ)の1人となり、経営者の方と3か月間かけて新規事業に取り組んだということですね。
そして今回私が伴走させていただいた会社は、エントリーしていた4社のうちの1つ、ザツダン㈱という会社です。

ザツダン㈱

ザツダン㈱はコピー制作・ネーミング制作・取材・ライティングなど、言葉にまつわる仕事を手掛ける新潟市の会社です。代表取締役の横田孝優さん、社員の鵜野梨奈さんのお2人が所属しています。

ザツダン㈱と私が取り組んだ新規事業は、
企業理念の体現プログラム「TAGRISE」
企業が掲げる企業理念を顧客に向けて伝えると共に、企業理念を組織内に浸透させるために役立つ「タグライン」を制作し、その活用までをサポートするパッケージ型のプログラムです。

タグラインの例としては、
・「カラダにピース。」カルピス
・「あなたと、コンビに、」ファミリーマート
などが有名でしょうか。
LVSにおいては、この新規事業の顧客を獲得することが、ザツダン㈱と私のゴールとなっていました。

「TAGRISE」のプロジェクト概要。ご関心のある方はぜひ!

2.参加の背景・目的

ここからは私がLVSに参加することになった背景や経緯、目的について振り返ります。

法律を学んだが、広告・メディア業界へ

私は今学生で、法律を学んでいます。しかし、卒業後の進路については
学んだことを活かせる公務員か、興味関心のある広告・メディア業界で悩んでいました。考えた末、私は広告・メディア業界へ進むことを選び、
就職活動を経て、来年4月から広告・メディア業界で働く予定です。

しかし、興味関心のある業界で働けることになったものの、社会人になるにあたっては漠然とした不安を抱えていました。

LVSとの出会い

このタイミングで、LVSのバディ募集の案内を見つけました。
以前私は、山本さんがコーディネーターとして携わっていた事業「新潟ライフデザインカレッジ」に参加したことがありました。新潟市内の多様なロールモデルの登壇者と共に、将来のキャリアを考える全3回の講座です。
この新潟ライフデザインカレッジの参加者・関係者に向けて、山本さんからLVSについてのお知らせがありました。

2つの参加目的

山本さんから来た案内を詳しく見ると、経営者としてエントリーした方の中には、コピーライターである横田さんのお名前が。この案内を見て、当時の私はこんなことを考えていました。

言葉のプロたるコピーライターの方の隣で活動することができれば、広告・メディア業界で歩んでいくためのヒントと出会えるのではないか。

これまで学園祭運営やゼミ活動を通し、他者のおかげでリーダーシップを磨くことができた。しかし、それは学生の域を出ないもので、社会で活かしていくには柔軟性に欠ける。このリーダーシップを、経営者と活動する中で磨くことができれば、私が抱えている漠然とした不安も、少しは解消されるのではないか。

こうした希望のもと、私はLVSのベンチャーバディに応募することを決意しました。
改めてLVSに参加した目的を整理すると、

・言葉のプロの傍で働いて、広告・メディア業界でキャリアを積んでいくための方針を掴みたい
・経営者の傍で働いて、自分の持つリーダーシップをより進化させたい
この2つになりますね。

3.活動

ザツダン㈱との活動は10月にスタートしました。
中心となった業務は、セミナー運営に関することです。

セミナー企画・運営

ただ、いきなり企画・運営に携わったのではなく、まずは実際にセミナーに参加して、セミナーの運営を勉強していました。

・「燕三条 工場の祭典2023 トークショー」
・「新潟子ども食堂・居場所ネットワーク『にこねっと』設立記念イベント」
・中小企業診断士の日関連イベント「中小企業経営シンポジウムin新潟」
これらのセミナーに参加し、運営方法を勉強していました。
特に、「工場の祭典」については参加レポートを作成しましたので、よろしければご覧ください。

そして、セミナーの企画・運営に携わりました。
告知用バナーや会場前の案内看板、アンケートの作成などを担当しつつ、
セミナーの中で任されていた「タグライン研究」のスライドも作成し、
実際に発表させていただきました。
セミナーの様子についても、レポートを作成しています。

タグライン研究

タグライン研究では、タグラインの「体現性」に注目して研究していました。その企業がタグラインに込めた思いを、いかに事業の拡大や企業としての発言に反映していたかということですね。

12月23日(土)中間成果報告会で使用したスライド。

集めたタグラインは200以上。
街やスーパーでタグラインを見つけてはスマホに入力し、200もの企業と多様な情熱に出会いました。

議事録・レポート作成

MTGごとの議事録を作成したり、ご紹介させていただいているnoteのようなレポートも作成していました。

取材同行

LVSとは別件になるかもしれませんが、ザツダン㈱の本業の一つである取材にも同行しました。社会人になる前に取材の現場を見ることができたのは非常にいい経験になりました。自分が持っていたイメージとは違い、終始和やかな雰囲気で取材は進み、素敵な空間にいたなぁと思うばかりです。

中間成果報告会

最後に、3か月の活動を報告する中間成果報告会が12月23日(土)に行われました。私たちを含め、3組の経営者とバディによる活動報告と、一般参加者を含めた全員で交流を深めるワークショップが行われました。
挑戦にあふれた新潟を感じながら、新しい出会いもいただきました。
当日の様子については、山本さんのこちらのnoteをご覧ください。

4.学び・感想

さて、今回いただいた学び・感想を残していきます。

自分にも、自分を導く言葉を

私がタグラインを研究するときに、「体現性」(企業がタグラインに込めた思いをいかに体現しているか)に注目していたことは先ほどお伝えした通りです。調べていくと、この体現性が高い企業ほど、事業は安定していて、顧客からも信頼されていました。そしてこの事実は、我々個人にとっても同じことだと考えました。

つまり、その人の中に、ある種のタグラインのような軸みたいなものがあって、その軸に沿った人生の歩み方、言動をしている人は、体現性のある企業のように他者からも信頼されるのではないか。そんな気づきがありました。
私も、これまで出会った素敵なタグラインのような言葉を持ち進んでいく人間でありたいと思いました。

コミュニケーション力とはなにか

「社会で誰かと働くにあたっては、コミュニケーション力が大事。」
就職活動中に、行政や民間企業の説明会で何度も聞いてきた言葉です。
LVSを通じて、このコミュニケーション力とは、
「TPOを踏まえて、適切なコミュニケーションの手段や量を選び、他者との対話を実現する力」だと思いました。

仕事を進めるうえで、他者と対話をすることは必須。しかし、
その人・その組織に合うコミュニケーションの手段と量は違う。電話での頻繁な連絡を望む人。1往復の文章での連絡で済む人。いろんな人がいる。
我々ザツダン㈱チームはというと、chatworkというツール(手段)での連絡に加え、対面・オンラインのMTGを週1で行っていました。

私がこれから所属する組織では、今回とはまた違った対話の手段と、量を選ぶことが求められるでしょう。
組織で仕事をするときは、丁寧に適切なコミュニケーションの手段と量を選んで、他者と対話をしていきたいですね。

だれと学ぶか

これから広告・メディア業界でキャリアを積み、人生を歩んでいくために、セミナーといった他者と学べる環境を大事にしていきたいと思いました。

私はこの3か月間3つのセミナーに参加してたのですが、私以外のセミナー参加者の背景を想像すると、仕事終わりとか、わざわざ休みの日に時間を作って学びにきている方がほとんどだと思うんです。こういった方たちと登壇者の話を聞くのは本当に背筋が伸びるし、参加者の方々の情熱が、自分を奮い立たせてくれます。

これから社会人になるにあたって、
自分で自分を厳しく律することで進んでいくことはとても大事なのですが、「だれと一緒に学ぶか、どんな環境で学んでいくか」ということは、
自分のキャリア形成で必ず意識していこうと思います。

お金をいただいているという責任感

特にこれはセミナー運営のための議論をしているときに実感したことです。
セミナーの参加を通して、諸先輩方の、自身の歩みのために学ぶ情熱を想像できたからこそ、生半可な情報は提供できないと気づきました。
だからこそ、私に学びをくれた登壇者の方々のように、どうにかして刺激になる情報や、新しい視点のようなものを提供できないかと考えていました。

結果的に、横田さんや鵜野さん、コーディネーターの石橋さんにも相談しながら作ったコンテンツはとても好評でした。アンケートでは、

インターン生(バディ)のプレゼンが素晴らしかった。

といったありがたいご回答があり、作成したスライドの写真を撮ってくださった方もいました。社会人になる前に、アルバイト以外でも、お金をいただいているんだというの責任感のもとで活動できたことは、とてもいい経験になりました。社会人になってからも、決して忘れたくない感覚です。

リーダーこそ動け

LVSに参加した目的に、「自分の持つリーダーシップを進化させる」ことがありました。この目的を振り返れば、この3か月で学んだリーダーシップは、「行動で示すリーダーシップ」です。新規事業に挑戦すれば、それだけ通常業務に加えて新たなタスクも増えます。それでも淡々とタスクをこなし、セミナー実施に向け動いていたザツダン㈱チームはとても素敵でした。

また、経営者が全力で走っているなら、バディの自分も全力で並走するべきだと思い、任されたことは全力でやろうと決意していました。
リーダーシップといっても多種多様な形があると思いますが、背中で伝える、行動で示して導くリーダーシップは、社会で私が意識していきたいリーダーシップの一つになりました。

新たな出会い

このLVSを通して、新たな学びや経験だけでなく新たな出会いもいただきました。

セミナーに来ていただいた方から、ラジオ出演のお誘いをいただきました
1月30日(火)19:00~ FM NIIGATA「NAMARA MIX」 という番組の中で、
19:18分ごろ出演予定です。お時間のある方はぜひ!

先日あった中間報告会でも、まだ学生の私とお話しして出さる方が多く、とても刺激的な時間を過ごすことができました。

5.これから

このLVSでいただいた学び、経験、出会いを踏まえて、
これから私がどうありたいのか。
明確にビジョンがあるわけではないのですが、ここにある程度の方針を残したいと思います。

言葉のプロフェッショナルを目指して

言葉のプロフェッショナルになりたいと考えています。
ザツダン(株)での活動を経て、
人を励ますことも、癒すことも、傷つけることもできる言葉を、
正しく使って、他者に貢献していける人間でありたいと思いました。


ただ、言葉のプロフェッショナルとは誰なのか。
言葉のプロフェッショナルになるために、
どんなことを学べばいいのかはまだわかりません。もしかしたら、答えのない問いなのかもしれません。そこで、ひとまず答えを探すために、やりたいと思っていることを書きます。

(1)マイタグラインをつくろう

私自身の軸を示すタグラインをつくります。
どんな職業であっても、プロフェッショナルと呼ばれる人間の中には、
自分を支える言葉があると信じています。
過去にもらった恩師の激励、顧客からの感謝、大切にしたい価値観、
自分がこうありたいという願い。

込められている想いが何であれ、
自分を支え、自分と進んでくれる言葉がある。
言葉のプロフェッショナルになりたいと願う私にも、必要なものだと感じています。

3か月間、私は自身の言葉と進む人たちと活動してきました。
これから社会の中で進んでいくために、私も、私の言葉を探します。

(2)書こう 書こう 書こう

書きます。
言葉のプロフェッショナルに目指すにあたっては、それなりに文章を書いた経験、意見力、読み手を想像する力のようなものが必要だと感じています。しかし、私には圧倒的にすべてが足りないんです。

また、書いて、書いて、書いたことで生まれた言葉の中に、自分と進んでくれる言葉のヒントも見つかるかもしれません。

(3)旅にいこう

旅に行きたいと思っています。

旅は、時間をぜいたくに使える大学生のうちにしかできないとたくさんの諸先輩方に言われてきました(私は、気持ち1つで人は誰でもいつでも、旅に出れると思っているのですが)。しかし、公務員試験対策に合わせて法律関係の資格試験対策を並行して進めていたので、私の学生生活は非常に勉強漬けの毎日でした。

だから、社会人になるまでに、せめて一度くらい旅をしてみたいと思うのです。旅の意味、旅が自身に与えてくれる価値は理解しています。
旅では書くためのネタも、マイタグラインの材料も拾えればいいなと。

6.おわりに

私の3ヶ月の振り返りにお付き合いいただきありがとうございました。

「ベンチャーバディ」はインターン生以上、社員未満の絶妙なポジション。絶妙だからこそ、チームにどう貢献すべきか、どのようなコミュニケーションをとるべきか、悩む時間は多くありました。ですが、この悩みながらも走り切った3ヶ月間は、私に多くの学びと出会いをもたらしました。
言葉のプロフェッショナルでありたいと決意するきっかけをくれました。

「言葉と進め」というタグラインを掲げるザツダン㈱での活動は終わりになりますが、代わりに私自身が言葉と進むための準備期間が始まります。
準備期間を経て、言葉のプロフェッショナルになるために、言葉と進み続ける人間でありたいです。


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