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元営業マンがバーチャル事業担当を経て、アパレルブランドのプロデューサーになった話

泉水:
yutoriの採用・人事担当の泉水(センズイ)です。今回はゆとり社長と社内メンバーの対談vol.3!バーチャル事業の責任者を経て、現在は2つのD2Cアパレルブランドのプロデューサーを担当している舩橋(ふなはし)さんに話を伺いました。

元々営業マンだった彼がなぜ、”digital street company”のyutoriに入社することになったのか、その経緯と業務の内容に迫ります。

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片石:
じゃあ、自己紹介お願いします!

舩橋:
舩橋誠(ふなはしまこと)、来月で28才になります!簡単に経歴を話すと、育ちは千葉で大学は明治大学の商学部に入学。16新卒で人材ITベンチャーのビズリーチに入社。昨年の8月からyutoriにジョインしています。

片石:
そう、ふなっしーとは同じ明治だよね。yutoriが2年前に明大前のマンションの一室にオフィスを移転するってなった時に、ウィッシュリストにあったアイスコーヒーを送ってくれたんだよね。

舩橋:
Facebookで繋がってたのもあってyutoriのことは知ってて、陰ながら応援してたんだよね。ウィッシュリストに入ってたアイスコーヒー送ったんだけど、たしか1万円くらいした(笑)かたぴは俺がアイスコーヒー送ったことを全く覚えてなかったけど..。

片石:
だね(笑)そこから1年後、yutoriのバーチャルインフルエンサー事務所『VIM』のリリースを見て、連絡くれて入社まで一気に進んだよね。そこの入社経緯改めてどんなだっけ?

舩橋:
元々ビズリーチで2年半くらい営業やってて、全社でも表彰されてリーダーにもなって。リーダーからどう頑張ったらマネージャーになれるのかっていうのも見えるフェーズに差し掛かってきた。すると「あ、人生こういう感じで進んでいくんだろうな」ってなんだか悟っちゃって急にワクワクしなくなってきて。自分が興味があることを探すようになった。

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ビズリーチで全社新人賞を受賞した際の写真

で、映画のマトリックスがめちゃくちゃ好きでもう20回以上見てるんだけど、当時見た時のマトリックスへの捉え方がいつもと違くて。「今自分が生きている世界がもしかしたら仮想世界なんじゃないか」とか思い始めたんだよね(笑)

この時期中学ぶりにゲーセンにハマって競馬ゲームをやってたんだけど、ゲームの世界は言ってしまえばお金を出せばどうにでもなる世界。コントロールできない現実世界よりも、思いのままにできるゲームの世界の方が面白いなって感じ始めてた。ゲーセンから帰る時に自己嫌悪に陥ることもあって、ずっと仮想世界にいた方がいいんじゃないか...って思うようにもなってたね。けどそこから、「バーチャルとリアルの狭間にある領域をビジネスで展開できたら面白そうだな」って考えるようになったんだよね。それで事業計画書もつくってみた。

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当時会社に提出したバーチャル事業の企画書

ただ、前職や周りの人にも相談しても共感は特に得られなくて。けど「とにかくバーチャルをやりたい!」って感じになってたから1週間有給休暇をとって海外のバーチャル事業の情報収集のために香港に。

で、香港にいた時VIMのリリースを見て、DM送って電話したのが入社の入り口だね。

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最初のやりとり

片石:
バーチャルへの知見が深い人もそういないもんね。ちなみにその時俺とやり取りした時の印象はどうだった?

舩橋:
要求ざっくりすぎん!?って思った(笑)最初依頼されたことが「ギャル分析しといて」とだけ言われて「ギャル!?どう分けるんだ?なんのために?」ってなった(笑)

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ギャルをリサーチしていた時の当時のデータフォルダ

片石:
あったね(笑)けどそれがあったから『葵プリズム』が生まれたからね!そういうやり取りしてから入社意向度はどう変わったの?

舩橋:
入社したいと思ったきっかけはバーチャルっていう事業軸だったけど、「臆病な秀才の最初のきっかけをつくる」って理念が素敵だなと思ってて、会社としても好きだった。だからアイスコーヒーも送ったしね(笑)けどその時は自分がどう活躍できるかもイメージ湧かなかったし、アパレルやりたいってわけでもなかった。

けどyutoriのメンバーとも話すようになって「めっちゃ考えてビジネスしてるんだな」ってピュアに感じた。ちゃんと根拠を持って事業展開しているんだなって思ったのが好印象だったかな。

片石:
成果物だけ見ても根拠とか見えないもんね。入社後、役割の変遷はどんな感じだっけ?

舩橋:
昨年の8月から今年の2月まではVIMの責任者として外部との折衝、撮影のディレクションを主に担当。2月以降はアパレルブランドの『9090』のディレクターに。その後ブランドプロデューサーとしてブランド全体に責任を持つようになったのと、別ブランド『centimeter』のプロデューサーも兼任するようになったって感じかな。

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90年代ストリートブランド『9090』

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for 下北男子ブランド『centimeter』

片石:
振り返るとすごい変遷だよね(笑)ブランドプロデューサーって具体的に何に責任を持ってどういうことをするの?

舩橋:
一番は売上に責任を持つ。やることは目標を達成するための戦略を立てて、それをどう実行していくかを考える。他にもメンバーのマネジメントとか、何を売るのかの意思決定とかに介入したりしているかな。

片石:
売上目標を達成するために意識していることって何かある?

舩橋:
プランBを持つのは意識している。
戦略のロードマップの中で「ここがコケたらどうしよう」って考えて、リスクヘッジの代替案を考えたりする。

片石:
”プランBを持つ”は今Qのyutoriの行動指針の一つでもあるもんね。今言ってくれた戦略思考っぽいディレクション側面の話じゃなくて、面白い企画をどうつくるか、みたいなクリエイティブ側面で意識していることとかあったりする?

舩橋:
大きく分けると3つ。まず意見の否定をしない。自分が実務をやらずにメンバーに任せているからこそ、メンバーのことは尊重したいし認められたら嬉しいから、意見が出やすい環境をつくるようにしてるかな。まずは「いいね!」から入る。

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オリジナル企画案出しのグループLINE

片石:
意見の中で、ん?と思うものがあっても一旦飲み込んで、いいところを探して認めてあげることで、アイディアブレスト会議が充実することも多々あるよね。あと2つは?

舩橋:
ユーザーを知るってことかな。今でもユーザーからのDMは自分でも見るし、その人のアカウントを見てどういうことを発信しているのか、どんなタグ付けをしているのかを見て、今後の方針の参考にしているかな。

片石:
それはD2Cの醍醐味だよね。これまでのtoC事業ってエンドユーザーまでの距離が遠くてリアルな生活を知れないって課題があったりしたけど、インスタでビジネスをやってると、自分たちの販売した商品がお客さんにどう切り取られて、アイデンティティにされているのかっていうのがパッとわかるからすごい面白いよね。

舩橋:
服屋の店員さんとも話してると、自分がいいと思うものをつくる方に偏っている感じで、そればかりやってるとユーザーとの温度差に気づかずにお客さんが離れていってしまうんじゃないかなって感じたんだよね。ユーザーの声を聞くことが今後のアパレル業界に求められることだと思うし、俺らは当たり前のようにやってる。

片石:
最後の1つは?

舩橋:
矛盾しちゃうんだけど、自分が主張したいメッセージが何かっていうのを考えて商品に込めることかな。カルチャーとか音楽とか古着からヒントをもらって、デザインとかテキストに落とし込むようにしてる。

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オリジナル商品の企画書

片石:
お客さんが想像できるものだけを作ってても飽きられちゃうから、主観も交えてその想像の一歩先を主導してあげないといけない部分もあるよね。

舩橋:
そう、実際にはユーザーにも気付かれないこだわりだったりするんだけどね。

片石:
そういう小さなこだわりを持って販売した商品ある?

舩橋:
例えば、以前のオフィスの住所を取り入れたり(笑)これってユーザーからすると特に意味ないものかもしれないけど「わからない違和感をつくる」っていうのも大事かなって思ってる。

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左下にyutoriの以前のオフィスの住所が記載されている

舩橋:
他にもデザインにyutoriのアイコンを取り入れて遊びゴコロを持たせたり。

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yutoriオリジナルステッカーがスケボーの裏に施されている

片石:
ストリートブランドはHIPHOPとかからサンプリングしてて、知っている人はニヤッとできるような、小さな仕掛けを積み重ねるのがコレクター魂を動かすこともあるから大事だったりするよね。大味のところだけでなくて、小味のところも自分たちがこだわりきれてるのも大事だよね。

舩橋:
企画も小味のところが実は一番盛り上がったりする。centimeterのオリジナルアイテムの『Too hot for virgin boy』は、Hotって意味が暑い夏だけでなく綺麗な女性に対しても男の子がホットになっているっていう掛け言葉とかもそう(笑)

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centimeterのオリジナルアイテム『Too hot for virgin boy』

片石:
ディレクション要素もクリエイティブ要素も意識してること色々あげてくれたけど、特に前職の経験が活きていることってどんなこと?

舩橋:
1つは目標達成思考かな。数字を見ることは苦じゃないし、伸びていくことにモチベーションを感じるタイプ。どうしたら数字が積み上がるのかっていうのを前職でずっとやってきたから、そこはうまくやれていると思う。

片石:
達成までの計画を引いて、かつ計画を緻密に整えるってところか。

舩橋:
そうだね。あとはメンバーのマネジメントかな。前職でもチームを持ってたから、チームへの指示出しとか意思決定とかの経験があったから、今も抵抗なくスッとやれている感覚はある。

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片石:
逆に前職で経験できてなくて、yutoriに入って苦しくもあり学びもあったこととかってどんなことなの?

舩橋:
主観的な意見を求められた時にあったかな。前職の時はそれを押し殺して仕事として”やるべきこと”にフォーカスしてたから、yutoriではそこのギャップが大きかった。強烈に覚えているのが、会議中にかたぴに「この会議面白くない!」って言われて。考えてないとか準備不足とかだったらわかるけど、「面白くないって何!?」ってなったのが衝撃すぎて覚えてる(笑)けど、確かに当時の会議は外部の人の御用聞きになってて、そこに自分の意思はなかった。だからその会議面白くない事件があってから、小さな会議とか意思決定にも意思を持つようになったんだよね。

今まではコストとか数字観点からでしか語れなかったけど、心に素直になって自分がいいと思うかの感覚で、アウトプットを出したり意思決定ができるようになった。

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片石:
それでいうと今の自分のポジションってどういう人が向いていると思う?

舩橋:
自分が前職で得た目標達成思考とかマネジメントが活きているから、そこの経験ある人は向いているかも。あとはやっぱり主観と客観のバランスが取れてる人かなって思う。
例えば自分の場合は、営業で「その人が何に困っていてどういう役割で、どうして買うのか」っていう買ってもらう理由を積み上げる作業をしてて。けど結局最後は人と人とのコミュニケーションというか「やりましょうよ!」で決まったりもする。論理も大事にしつつ、相手に”この人なら”と思ってもらえるような感性や感覚的なものも大事にしてたんだよね。

片石:
営業は最終的にどうしたらお客さんに気持ち良くなってもらえるのかっていうのが大事な最たる領域でもあるもんね。

舩橋:
そう。ユーザーを知るっていうのも営業の時からやってて、お客さんのところへ訪問前に、設立年・組織図・事業とかをリサーチしてから商談に臨んだりしてたからね。

片石:
うんうん、面白い。

舩橋:
アパレル業界的には自分がカッコいいと思う服を作りたいとかって主観に偏った人が多いと思うけど、客観的な面も大事にする経験がある人がいいと思う。

片石:
けど、客観的な視点を大事にしてきた人って、yutoriみたいな会社嫌煙しがちだったりするよね。多分ふなっしーも自分がブランドプロデューサーなんて出来ないって思ってたじゃん?

舩橋:
いやー、そうだね(笑)絶対無理って思ってたと思う。けど今は自分の経験も活かしつつ、否定されない環境で自分の主観を出せるようになってきて、学びも増えているなって思う。

片石:
直感的な意思決定でも否定されないっていうのが、yutoriの良いとこだったりするよね。めちゃくちゃロジックで考えているんだけど、最後は「かわいい」とか「面白い」って感性で意思決定しても許される部分があるのは、うちならではだよね。

実はyutoriって社名も周りにめちゃくちゃ否定されたことがあって。「会社ってネガティブな名前つけるもんじゃないよ」って(笑)けどロジックだけじゃなくて、小さく人を裏切るアイディアとかがヒットに繋がるとかもあるもんね。

企画会議もかわいいとか面白いって思えたら笑いが増えるし、その笑いの数が売上に直結してるよねっていうのもあるから、直感とかも大事だよね。

舩橋:
爆笑会議だからこそ出る突飛なアイディアもあるしね(笑)

片石:
うんうん。じゃあ最後にまとめで、片石に何か物申すことある?

舩橋:
そうだなぁ、最近はみんなのことを気にしすぎてる感がある!恐らくだけどメンバーに意思決定させようとしてくれてるけど、自分はこうしたいなっていうのが心の中にあるんじゃないかって勘ぐっちゃう。それで怖いって思う時があるなぁ...。

片石:
むずw。ピュアにこうしたいっていう楽しさとか面白さからエネルギーが沸いてきた時はストレートに言うようにします。厳しいこと言う時はオブラートに包むように、って感じにします(笑)

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泉水:
営業マンとしてロジックや数字だけを大事にしていたけれど、yutoriに入社して良い意味で公私混同しつつ、主観と客観のバランスを取りながらビジネスしている話を聞くことができました。

舩橋さんの前職の件然り、ベンチャーで働く優秀な人ほど、意外と会社のMUSTに縛られて自分のWILLが実現しきれてない人も少なくないと思います。

「今の会社で一定パフォームできているものの、まだ自分の中にある”好き”や熱中できるものをアウトプットできてないよ」という方、yutoriでそのユーモアをビジネスとして昇華させませんか?

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「洋服が好き」という気持ちで、好きな人と好きなことをやっています。