
ITシステムの開発における大切な事(後編)
こんにちは、ITコンシェルジュ兼CEOの宇都です。
先週に引き続きのテーマです。
先週の前編まだの方こちら
さて、今回はシステム開発における課題についてお話しさせていただきます。
私の考えるシステム開発をする場合の主な課題は以下の2点です。
・エンドユーザ側での要求事項が整理されていない
・プロジェクト管理が出来ていない
日本企業のこういった課題に関する原因の一つとしては、エンドユーザ側にIT技術者がほとんどいないということです。アメリカや他の国ではIT技術者の50%以上がエンドユーザ側に所属して自社開発や運用を行っている。
実際に中小企業様のご支援をしている中でも、システム部がない、システム担当者が他と兼務している。システムのことを知らない人が担当している。といった企業がほとんどです。
システム開発の本質は何か?それは、「システムを利用するユーザが、ITで何を実現して、どのように利用したいか?」を具体的に理解していることが重要です。
そのためには何をする必要があるのか?
始めに挙げた課題にある「エンドユーザ側で要求事項が整理できていない」ことに対する対策が必要になります。
システム開発の世界では、超上流工程 ⇒ 上流工程 ⇒ 開発工程 ⇒ テスト工程 ⇒ 運用工程 といった工程の流れがあります。その中でユーザ側で整理が必要な部分は、超上流工程になります。
超上流工程は何をするのか?主には以下です。
・現状のシステム利用状況の確認、整理
・現状の業務の運用状況の確認、整理
・現状整理から課題の明確化
・課題の優先順位付けと対策の検討
このような工程を行うことで、本来の企業としての必要なITシステムが何か、不要なシステムはないか、より業務効率が上がるシステムは何かを理解することができる。
この情報を元に、開発ベンダーに相談することでより具体的で前向きなシステム開発へと進めることができます。
次に重要な点としては、「プロジェクト管理が出来ていない」ということです。
プロジェクト管理で必要な点は、以前のnoteでも記載していますので詳細は以下となります。
プロジェクト管理ができないという点については、2つの視点があります。
一つは、ユーザ側のプロジェクトマネジメントが必要であることを認識することです。ユーザ側として対応しなければならない部分(要件定義レビュー、設計レビュー、テスト計画、移行計画等)についての計画を立案し体制を作り、実行していく必要があります。
もう一つは、ベンダー側のプロジェクトマネジメントです。お客様の要求事項を理解し、具体的にどのようにプロジェクトを進めていくかを提案して、実際に調整をして実行することが必要です。
このように片方だけのプロジェクトマネジメントだけではうまくいかないケースも多くあると思います。両社で必要な体制を用意し、プロジェクトに対して必要な管理を行い、両社でのコミュニケーションが円滑になるような仕組みを作っていくことが、システム開発のプロジェクトを成功へと導く大きな一手になります。
「ITシステム開発における大切な事」は、
・ユーザ側での超上流工程で要求事項を整理すること
・プロジェクト管理を行うこと
この2点について取り組むことでIT投資がより効率の良い投資に代わっていくと思います。
すぐに社内の人材で取り組むことは難しいと思いますので、我々のようなITのプロへご相談ください。