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IT導入のプロジェクトマネジメントを成功へ導く
こんにちは、ITコンシェルジュ兼CEOの宇都です。
ITの導入の時に、何から手を付けていいのか?ベンダーとどのようにやり取りしたらいいのか?どんな計画をすればいいのか?といった声をよく聞く。
そんな時の方法の一つとして、プロジェクトマネジメントをしっかりやるということに取り組んでみてはどうか?
プロジェクトマネジメントは、プロジェクトの計画を立てるところから始まる。計画で検討が必要なことは、以下である。
■プロジェクトの計画
・目的の明確化
・リスクの明確化
・優先度の明確化
・プロジェクト達成目標日の明確化
・目的の明確化
プロジェクトがそもそも何のために行うのかを理解する必要がある。例えば、「基幹システムが老朽化していて保守期限が迫っているため、システムの更新が必要になる。」、他には、「業務効率化をするために、システムによる自動化を行いたい。」、「データマネジメントを導入したい」など様々な目的がある。そういった目的を明確にし、さらにもう一度本当の目的は何か?を考え、もう一段深く目的を落とし込むことが重要である。
・リスクの明確化
プロジェクトを実行する上で、事前に考えられるリスクを洗い出す必要がある。既知のリスクは未然に回避することが可能になる。プロジェクトの推進の障害になることは初めのうちにできる限りなくしていくことが大切である。
・優先度の明確化
プロジェクトで何から始めてどの順番で実行するのがスムースに進められるかを検討する必要がある。その基準として優先度の高いものを先に対応し、優先度が低いものを後ろに回すといったやり方を行う。その中で、タスクの紐づきを理解することでおおよそのスケジュールを立てていくことができる。このあたりは慎重に関係者の意見を聞きながら進めていくことが精度アップにつながる。
・プロジェクト達成目標日の明確化
いつまでにプロジェクトを達成しなくてはいけないか。これがないとプロジェクトのスケジュールが間延びしてしまう。遠すぎても急すぎてもプロジェクトとしての推進が難しくなる。ほどよく急ぐぐらいが緊張感があってちょうどいいスケジュールになる。このあたりは経験値である程度理解できるようになる。それ以外には、どうしてもその日までにやらなくてはいけないというケースもある。例えば、「ハードウェアのメンテナンスの終了期限がありそれ以降はいつ壊れてもおかしくないリスクが発生する。」その場合は、達成日が先に決まる。必然的にやらなければいけないこととスケジュールが決まる。こういったケースの場合、収まるようにどのようなやり方がいいかを真剣に慎重に早急に検討する必要がある。
以上のようなことを検討することで、プロジェクトを開始する前にしっかりと計画を作成し、リスクに備えて準備を事前に行っておくことができる。それがプロジェクトマネジメントの根幹となる。想定通りにいけばうまくいくという前提ができる。これが本当に重要なことである。前提がないと何を基準にどこまで対応すべきかが明確にならない。失敗しているプロジェクトの特徴である。
■プロジェクトの実行
プロジェクトの実行におけるプロジェクトマネジメントは、QCD管理(Q:品質、C:コスト、D:納期)をきめ細かく行うことである。
・Q:品質の管理
品質管理では、システム構築に対する要件定義の情報管理や精度の管理、基本設計・詳細設計の記載項目、粒度の管理、テスト項目の粒度の管理を行う。また、それを維持するために必要なベンダーの体制ややり方をチェックする。また、プロジェクトの計画であるWBSの管理やそれに伴う課題管理をきめ細かく行うことでプロジェクトとしての品質が上がる。
・C:コストの管理
コスト管理では、プロジェクト開始時に決めたスコープを元に、仕様追加や仕様変更に関してコストとスケジュールを管理する(=スコープ管理)ことが必要となる。契約時のコストからはみ出る内容なのかどうかの管理が主な内容である。ですので、はじめの計画時の要求事項において、ベンダーとの意思疎通がきっちり出来ていることが重要となる。そのうえで、新たなスコープとなる事項が発生した場合にきちんと管理をすることでプロジェクトとして必要なコストかどうか、有効なコストかどうかも判断できるようになる。
・D:納期の管理
納期管理では、プロジェクト管理としてプロジェクト計画を元にWBSや課題管理を行う中で、週に一度の進捗会議を実施し、月に一度のステアリングコミッティを実施する。そうすることで、進捗を正しく管理し、現状の課題をできる限り洗い出して見える化することが大切である。また、課題やQ&AについてはBacklogなどの管理ツールを利用することでリアルタイムで状況を把握できるのでお勧めである。
こういったQCD管理をもれなくダブりなく(MECE)管理していくことでプロジェクトがスムースに進捗していくことができるようになる。
マネジメントをしていると、なんでこんな雑用ばかりしなければいけないのか?こんなことぐらいやってくれよ。と言いたくなるような業務がいろいろと出てくる。なぜか、マネジメントとして大切なことは全体のそれぞれの役割の隙間を埋めていくのがマネジメントの仕事である。必然的に、雑用をすることが多くなる。ただ、それだけでなく全体を把握し、より前進させるための計画や行動を常に意識し、各担当者の状況も把握し、それぞれに対して気配りをするということがプロジェクトをよりスムースにいかせるコツではないかと思う。
■プロジェクトの完了ヘ向けて
プロジェクトが終盤へ向かっていくにつれて、システムの本番リリースを無事に迎えることが最大のポイントとなる。これまでは、さまざま対応を行い広げてきたことに対して、本番リリースへ向けてそれぞれの対応を収束させていく必要がある。その中で、積み残しとなる課題や対応が発生することもある。その場合は、タイミングを見て今回のプロジェクトスコープから外すということで管理をする。もう一つは、どうしても今回のプロジェクトスコープ内に入れないといけないものが発生するケースだ。その場合は、優先順位を明確にし、スケジュールとして対応可能かを明確にし、必要な人材をアサインして遅れがないようにスケジューリングし管理していく必要がある。この時にも重要なポイントは、ユーザーベンダ間できちんとコミュニケーションをとって進めることである。お互いに状況を理解していれば何をすればよいかが明確になるはずである。そういった関係をお互いに築けるように努力する(思いやる)ように心がけたい。
「IT導入のプロジェクトマネジメントを成功へ導く」について、
■プロジェクト計画
■プロジェクトとの実行
■プロジェクト完了
と3つのフェーズに分けて話をした。
ITコンサルタントでは、PMO(Project Management Office)として、プロジェクトマネジメントの支援をするサービスを行っている。
特にユーザ企業として、システム構築PJを進めるにあたり目の前の業務を兼務しながらシステム構築のマネジメントもしなくてはいけないという状況に陥ることが多い。そんな時、外部のコンサルタントへ相談をしてみてはどうだろうか?
新しい働き方としての外部人材の活用もこれから必要な企業としての対応である。自社のリソースだけでは難しい場合は、積極的に外部のプロ人材をうまく活用できれば、今までよりプロジェクトマネジメントがやりやすくなるのではと思う。