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『三年間ありがとう』#架空ヶ崎高校卒業文集
2045年
3年H組 ワーウィ・ワーウィ
架空ヶ崎での3年間は長いようで短く、すぐに終わりを迎えました。これまで支えてくれた友達や先生には感謝してもしきれません。
1年の私は、不安でいっぱいでした。モンシロチョウとゴリラのハーフだと受け入れてもらえるかとても心配だったからです。私の中学は怪子校で人間は数えるほどしかいませんでした。そのため、私は中学であまり人間と交流せずに卒業を迎えてしまいました。入学のときほどそれを後悔した瞬間はありません。校門を越える時に翅の付け根に汗をかいたのを覚えています。
ですが、友達は沢山増えました。緊張していた私をお昼ごはんの輪に入れてくれたときはとてもホッとしました。
道半先生にも感謝しています。古典の授業のあとに分からない部分を聞きにいくと先生はいつも丁寧に教えてくれました。私が人物の心情が分からないと言うと、参考になる書籍を教えてくれました。いまは『堤中納言物語』を読みはじめています。
2年のクラスマッチのバスケットボールではみんなで毎週2回練習しました。そのおかげでパスの連携がうまく取れるようになりました。本番では、チームメイトが私にパスをして一試合最低20回ダンクシュートを決められました。
忘れられないのは3年時の虚名山ハイキングです。山の中腹にある自然公園で昼食をとっていたとき、同じ班である夢野さんのランチバッグが強風で飛ばされてしまいました。赤色のバッグは夢野さんがおばあちゃんに作ってもらったもので、とても大事にしていました。夢野さんはバッグを掴もうとして公園の柵から転落してしまいました。私は何も考えず飛びました。谷底に落ちかける夢野さんを前脚で捕まえ、中脚でランチバッグをキャッチしました。自分の全力を尽くせてよかったです。
これから新生活がはじまります。また緊張して入学を迎えると思いますが、架空ヶ崎での思い出を胸に越えていきたいです。
3年間、楽しい思い出をありがとう!
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