帰ってきた!ブリザード四姉妹!!
前回のブリザード四姉妹
廃神社に一陣の風が吹く。
「ただいま戻りました…。」
「ゔぉあう!!」
「おっかえりーーーー!!!!」
コゴネとコゴミが崩れかけた鳥居を抜けるなり少女が抱きついてきた。
「ねね!ご飯はご飯は!?」
「ゔぉううぉう!」
三女コゴミはコンビニのおにぎりでも渡すように凍死体を少女の前に転がす!
「わーーーーい!!!」ブチー
少女もまたグミでももらったように死体から指を捥いだ!喰った!
「うまーーーーーーーーーー!!!」
〈四女ウェンディゴ・コゴヨ〉
「もう…世話がやけるわ…。」
コゴネは嘆息した。これには理由があるのだ。話は6日前に遡る。
四姉妹はどうしても蜘蛛の刺青の男の情報が必要だった。奴はヒマラヤで母を奪った張本人だからだ。
そのため来日してからコゴミとコゴネは聞きこみ、コゴヨは潜伏調査をすることにした。
コゴヨは見た目だけなら小学生で潜入にうってつけだ。だが、それが地獄の始まりとなった……。
コゴヨがからかってきた小学生男子を端から喰いはじめたのだ。
「やーい!おまえのねーちゃんゴリラー!」
「ゆきおとこじゃー!!まちがえんなー!」ビリー
「ぎゃー!耳がー!」
ある時は
「コゴヨちゃん!ケンタくんがあたしのことデブっていうの!」
「おいケンタ!あやまれー!!」ブチチー
「わーん!ぼくの鼻ー!!」
もはやクラスの女の子に頼られる始末となっていた。
その経緯があって、見かねたコゴネが死体を持ってくることにしたのだ。
「あの時は肝を冷やしたわ…。私達のことが知られたらどうするの…。」
「ちっちっち!コゴネちゃん分かってないなー!知られた方がいいんだよ!!だって私達が追ってきてるのを知れば」
コッコッコッ
廃神社に向かう石階段を革靴で歩く音。四姉妹で革靴を履く者は誰一人いない。
「あっちから来てくれるからね!」
(つづく)