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初期刀についてふと思う。
7年程前に色々な刀剣店を勇気を出して巡り、そこから半年ほどかけて初めて買った刀は悩みに悩んだ挙句に数年前に手放してしまった。
後悔する事は時々あるし、一方で手放したからこそ手にする事の出来た刀もあり複雑な心境なのは今も割と変わらない。
出来も良くとても気に入っていたのだが好みの移り変わりに合わせて欲しい刀はどんどん出て来てしまう中で、資金も有限であるから致し方ない。
きっと多くの愛刀家の方が少なからず通る道なのであろう。
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初期刀というのは少し特別で、自身の刀趣味の原点であり基軸であり、刀関係の人付き合いは全てここから始まっていると言えるし、現在の仕事もこの1振がきっかけで始めている。
自身にとって唯一無二の刀剣といえる。
会社から帰りほぼ毎日のように鞘を払い時間を忘れて初期刀を眺めていた日々や、ケースを試作しながらどうこの刀を綺麗に展示しようかと頭を巡らせていた日々を今でも時々思い出す。
初期刀と共に過ごした期間は振り返れば3年という短い期間ではあったがとても濃密な時間であったように思うし、振り返ってみても人生の転換期となったかけがえのない刀なのは間違いない。
毎日ブログで末尾に入れている刀箱師ロゴに使用している刀も実は初期刀だったり。
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この刀は茎の錆具合や刀身の状態も非常に良く、刃や地鉄も冴えており刀としても本当に良いものであったと思う。
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そして全くの偶然で驚いているのだが、今はなんと製作した展示ケースを買って下った方が手にしてくれている。
勿論私が直接譲ったわけではなくお店に戻した物をその方が手にしたという経緯であるが、同じものを気に入って下さったというのは素直に嬉しい。
以前の所有者です、なんてことは勿論言いませんが、今この瞬間もその方が楽しくその刀を楽しんでくれているかもしれないと想像するととても嬉しくなる。
手放した事を後悔する日がある一方でこうした感情になる事もまた不思議なものに感じる。
刀の縁にはつくづく驚かされるが、この先20、30年と時間が経ちいつか刀趣味が1周出来てまたこの刀と巡り合うような時がくれば嬉しいと思う。
そしてその時は幾ばくか自分自身も成長した姿を刀に見せる事が出来れば嬉しいし、そうなれるように頑張りたい。
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今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き刀ライフを!
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)
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