手持ちの刀でどれが1番かは決められない
今手元には5振(1つは娘の御守り刀なので自分のは実質4振)の刀があり、この中で1振しか残せないとしたらどれを残すんだろう?と時々自問自答するのですが未だに答えが出ません。
①皆違って皆良い
A~Dまでの刀の印象をそれぞれ書くとこのような感じ。
A:
色々な刀剣店を初めて渡り歩いてようやく手に入れた初めての刀でありこの刀があるからこそ刀にはまったのかもしれない。
直感を優先して購入した刀だが後悔はない。
慶長新刀の為、健全で刃も明るく冴えて力強さを感じる作。
切先は尋常でいわゆる大切先でないあたりも好み。
肌は詰み、志津あたりを狙った作と考えられている。
B:
初めての無銘古刀(鎌倉後期位)の短刀。無銘なものの底銘が見えるなど研究しがいのある面白い短刀。刀身も地景がしきりに入り変化に富んでいて見ていて面白い。刃はゆったりとしていて落ちつくが、よく見ると金筋などの働きが見られ躍動感が感じられる。
沸が雪のように細かく付いていて素晴らしい。見惚れる作。
C:
初の注文打ち。こんな作が良いと伝えて完成したまさに要望通りの刀。
他の刀とは違い自分が頼んだから生まれた作でもあり、まさに共に歴史を刻んでいくという特別感を感じる作。
刀の最初の所有者、には何とも言えない嬉しさがある。
沸が均一につき、乱れ映りも現れている。個人的には祐定や源光平あたりにも見える。当然ながらずっしりと重く鑑賞すると手が疲れるがそれが良さ。
D:
鎌倉初期頃の刀で手持ちの物では一番古い太刀。
雅な姿が特に好み。恐らく800年位経っていると思われるがこれだけ綺麗に残っているところから大切にされてきたんだなと感じる事が出来る。
刃や地は全てが変化していて見る度に新しい変化を見つける事もある。
まだ手に入れたばかりなので最近はこの太刀をメインで見ている事が多い。
何というか、機能美としての美しさを感じられる。
②終わりに
と紹介してきたようにそれぞれの刀にはそれぞれのお気に入りポイントや見所があり、違う良さがあるのでそれら同士を純粋に比較する事が出来ません。
なので愛刀家の方が下取に出そうとしてもどれを出して良いのか悩みに悩むのはこれが理由なんじゃないかと思っています。
同じ時代の同じ刀工の作、もしくはせめて同じ伝法の作であれば自分の中で優劣をつけやすいのだろうか?
これは実際に経験が無いので分かりません。
思い返してみると刀剣店の店主に一番お気に入りの刀は何ですか?と聞いた事が何度かあり、凄く難しそうに悩んでいた気持ちが今なら少しわかる気がします。
「手持ちの刀でどれが一番好きか?」と聞かれて皆さんは即答できますか?
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
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