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目貫の取付向きについて

先日鑑賞会に参加させて頂いた折、目貫の取付向きについてお聞きした。
例えば以下の一匹獅子図。
どちらを表、裏に付ければ良いのか私は分かりませんでした。
むしろ付ける向きが決められている事も最近知った程です。

(画像出典:刀剣ワールド 梅花鮫鞘 合口拵
(画像出典:刀剣ワールド 梅花鮫鞘 合口拵

因みに取付方向を反対にすると「逃げ目貫」と言われ、良くないものとされたようで。


・正しい目貫の取付方向

以下は刀剣ワールドさんのHPの物に加筆したものですが、結論から言えば、獅子や龍はじめ、動物などは体の向きが刃側を向くのが正しいようだ。

(画像出典:刀剣ワールド 梅花鮫鞘 合口拵

これは抜刀して刀を握った時に刃側に体が向いている事で、共に戦うという意志の現れを表しているとも仰っていた。
これが目貫の獅子の体が反対に頭(かしら)側を向いていると、相手に刃を向けているのに、獅子の身体は自分の方向を向く事になり、これはつまり「戦いから逃げている」事を連想させる。
故に「逃げ目貫」と言われるらしい。
理由が分かるとなんとも分かり易い。

そしてどうやら顔の向きは関係がないとの事。
獅子や龍の図は体と顔が反対の方向を向いている物も多く、それも相まり混乱する要因になっていた。
二匹獅子目貫になると二匹が向き合っており混乱したが、体の向きは確かに同じ方向を向いている。
なるほど、体の向きを見ると分かり易い。


尚、草花など植物の図であれば、根っこ側が刃側になるとの事です。
これは帯刀した状態で空を向く側、との事です。
動物の体の向きとは逆向きでややこしいですが、植物は争いを連想させるものではないので、刃を抜かない状態を基準に考えるという事でしょうか。
もしそうだとしたら洒落ています。

左右対称の物は聞きそびれてしまいましたが、判断のしようがないのでどちらでも良いのかもしれません。

さてさて、今回の話を踏まえて龍の目貫を見て見ましょう。
見るのは体の向きです。
もう簡単ですね!

(画像出典:刀剣ワールド 金無垢龍 目貫



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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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