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太刀師鐔 小菊模様図 ①

先日新たにコレクションに加わった鐔をじっくり眺めてみる。
菊花模様の刻印が一面に施された山銅地の鐔で表面には山銅の茶色っぽい地鉄と黒ずんだ地鉄が見え、良い艶感がある。

縦6.9cm ×横6.6cm ×切羽台厚0.8 cm 、耳厚0.7㎝、重量 187g

かなり厚手の為、直径は7㎝いかないがずっしりしている。


茎孔の形状が台形をしている。太刀もしくは薙刀などに付けられたのだろうか。
茎孔の中心位置がずれている。
太刀を佩いた際に太刀が変な方向を向かないようにバランスをとる為だろうか。
これは古い鐔にまま見られる。
鋤残耳
耳ギリギリまで菊花の刻印が外周に沿って施されている

この菊花の刻印であるが一見ランダムに打たれているように見えるがよく見ると規則性を持っているのが分かる。
遠目から見ると大切羽のような形に見えるように外周を少し彫り下げる事でオフセットするような形になっており、刻印もそれに沿って配されている。


古い赤銅鐔などは材料を節約する為かよく3枚合わせなどのものが見られるが、
この鐔は無垢鍛えのように見える。


時代的には室町時代あたりの物と思われるが、もしかしたらそれよりも少し時代が上がり南北朝期の物である可能性もあるかもしれない。
いずれにしても経年により詫びた風合いが堪らない。
戦で使われたであろう物、歴史的な物を写真ではなく実物として今じっくり触れる事が出来るのは何とも言えない気持ちになる。
手の込んだ綺麗な鐔、豪華な鐔も良いが、こうした如何にも土に埋もれていそうな鐔もまた良い。

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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑

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