刀装具の箱に時々ある落款
鐔や目貫、小柄、笄などの刀装具は桐の箱に入っているのですが、時々箱に落款が押してある、もしくは貼ってある物があります。
私も以前購入した刀装具のいくつかに落款がありました。
以前の蒐集家の方が自分で製作して押している物と思われますが、中には大コレクターの落款などもあり、そういったものは重宝されているようです。
例えば「龍獅堂」の落款などはその良い例かもしれません。
噂によると刀装具小道具愛好家であれば、龍獅堂の箱を見れば中身を見なくとも購入意欲が駆り立てられる程なのだとか。
箱への凄い信頼感…。
因みにこの龍獅堂の落款は、明治の大コレクターであった光村利藻の所蔵品であったことを示しています。光村コレクションとも言われます。
大コレクターであっただけに物も良い物が大変多く、中身は勿論のこと、この箱自体にも価値があります。
平成30年に光村コレクションの展示会が佐野美術館で行われていたようですのでご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私はまだ読んだことはありませんが、図録も出ているようですので
この明治の大コレクター、龍獅堂、光村コレクションに興味ある方は買ってみても良いかもしれません。
という事でこういった大コレクターの落款は別として、意外や意外、結構刀装具の箱に落款が押されている事があります。
私の手元にも2つ落款がありました。
・私の刀装具にも落款ありました
1つ目。古刀匠鐔の桐箱に付いていました。
聞く所によるとどこかの支部長の方の落款なのだとか。
支部長クラスの方が持っていた物をこうして手元で鑑賞出来る事はとても有難い事です。
因みに落款になんと書いてあるかは読めません。
もしご存じの方いらっしゃいましたらこっそり教えてください。
2つ目。金龍目貫の桐箱にありました。
上の段左から「居」、「瑞」、「慈」
下の段左から「士」、「雲」、「光」
で「慈光瑞雲居士」と読めるようです。
フォロワーさんのお陰で解読する事が出来ました。
本当にありがとうございます!
・終わりに
物を見て気に入った物を買うのは大前提ですが、こういった落款が箱に貼ってあったりすると過去に「これは自分のコレクションだ」と主張したくなる位に気に入った人がいたという事でもあり、自分と同じ価値観を持った人がいたと少し嬉しい気持ちにもなる気がします。
そしてもしかすると自前で落款を作り製作した桐箱に付けて、これは自分のコレクションだ!と主張するのも刀装具蒐集の楽しみなのかもしれませんね。
今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)