良きマイナー刀工発見でドーパミン
昨日2回目となる霜剣堂さんの即売会へ。
初日には無かった「兼住作」という3字銘の短刀に目が止まる。
刃長30㎝くらいで元重ねは5㎜位だろうか。反りはない。
生ぶ在銘で健全な刀身に小沸出来の直刃、地鉄は良く詰んで大肌が出ず白け映りが立っている。
ノサダの「兼」の字によく似ている。
茎は同じく檜垣鑢で斜めに十字にクロスするように鑢目が入っていた。
尚、鑑定書は付いていない様子。
関の短刀で室町頃だろうか。
日本刀銘鑑で調べてみたがまさかの銘鑑漏れ。
ネットで調べると天文頃(1532~1555年)の刀工とある。
こうした見知らぬ刀工で良い作を見つけると、世間では注目されていない自分だけのお気に入り刀工を見つけたようでドーパミンが噴出する。
それはそうと最近保存と特保審査の受付け締め切りが早い事が話題ですが、5/1から始まった刀剣の保存特保審査も30分ほどで受付枠が満杯となったようです。(尚、平日の昼間の事)
は、はやい…。
刀剣審査は3か月に1度なので逃すと暫くありません。
平日の昼間に個人で貼り付ける人はあまり多くないと思いますので、個人というよりも刀剣店での枠の取り合いになっている気がします。
このような状況になってくると鑑定書無しでの刀の販売というのも今後少し増えてくる可能性もありそうな気も。
個人的には鑑定書はあっても無くても気に入れば良い派なのですが、「姫路お刀同好会」さんの意見はごもっともに思いました。
と、話は脱線しましたが別に鑑定書無しの刀を薦めているわけではありません。やはり最初買うなら鑑定書付きの刀が良いのは間違いない。
とはいえ霜剣堂さんの展示会に並ぶ無鑑定の作は良い物が多い気がする。
ただこれは然るべきコーナーに並んでいるものであって格安コーナーに並んでいるのは割り切った方が良い作も多い気がするので、購入する時は色々聞いた方が良いと思う。
うーん、それにしても良い短刀だった。
重要の延寿短刀と同じ位くるものがあった。
正月に買った歴戦の刀はあれはあれで老将とも言える見所があり疲れた日に見ると共感が得られるような刀で良かったが、今回の兼住は普通に疲れていない時でも鑑賞して心が休まるタイプの短刀で美濃物の中でも上作に思えた。
予定があって展示会期間中はもう行けないが、機会あればまた見せて頂きたい品であった。
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)
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