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重刀図譜と特重図譜、デジタル化してほしい件

両国にある刀剣博物館で定期的に行われている「重要刀剣等新指定展」や「特別重要刀剣等新指定展」に行かれた方も多いのではないでしょうか?

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実はこの指定を受けた刀は専用の図録に押形(特重は写真)と刀の説明が収録されます。それが以下のようなものです。

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(画像転載元:Aucfree

①重要図譜、特重図譜とは?

重要刀剣図譜は毎年発行、特別重要刀剣図譜は2年に1度、新指定に合わせて発行されています。
重刀図譜には刀の押形と特徴の説明が、特重図譜には刀の写真とより詳細な特徴の説明が書かれています。(以下は重要図譜)

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昔の指定品は名品揃いなので「名刀図譜」と言い換えても良いかもしれません。
その位に凄い刀(重文や国宝に匹敵する刀も)が沢山載っています。
なのでこれはとても貴重な資料なのですが、問題も。


②図譜の問題点

・値段が高い

厚みによっても値段が変わった記憶ですが、大体新品で買おうと思うと重刀図譜で3万円以上、特重図譜で5万円以上した記憶です。
新品が買える場所は日刀保、つまり刀剣博物館でのみです。
しかし過去10年以上も前の物は取り扱いを終了しているので古本屋などで手に入れる他ありません。

・過去の図譜が手に入りづらい

過去の図譜を手に入れるのは非常に困難です。
古本屋やオークションなどで買う事になると思います。
そして新品よりはるかに値段が低いとはいえ、それでも一冊5000円位は平均でします。
現在重刀指定は66回、特重指定は26回を数えるまでになっています。
合計92冊分を買おうとすると労力と金額が凄い事になるのは想像に容易いです。

・物理的にかさばる

以下の写真で重刀図譜25回分です。
現在重刀図譜と特重図譜を合わせて92冊なので、フルコンプするとどの位かさばるかが想像しやすいと思います。

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(画像転載元:日本の古本屋

因みに1冊の大きさが分かりづらいと思いましたので、参考までに。
「ふでばこ」よりも大きいのです…。

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・ソート出来ない

何よりソート出来ないというのが一番の難点。
例えば愛刀家であれば、ある特定の刀工のみ調べたい事もあるでしょう。
しかし、例えば正宗を調べたくても第何回にどんな正宗があるのか非常に分かりづらいという問題があります。
比較するには沢山の図譜を広げてみる必要がありますが、そんな広いスペースが我が家にはありません。


③デジタル化するメリットはきっと多いはず

日刀保に事前予約すれば過去の図録を見せてもらう事が出来ます。
…が、そういう事ではなく家のパソコンやスマホで気になった時にぱっと見たい。
気軽にデータベースにアクセスできれば例えば某オクでの鑑定書偽造なども事前に見破れる可能性が高まるかもしれない。
印刷代もかからなければ万が一何か訂正があった場合でもアプリのアップデートで画像を差し替えるだけで済みます。
料金は定額制で構いません。年間1人1万円でも利用したい人は多いと思うのですがどうでしょう。
現在日刀保の会員数4000人くらいですが、その1%位が図譜を買ってるとして1冊5万円で200万円くらい。印刷代等抜いたら利益は150万円位でしょうか。(日刀保の決算書に正確な金額が載っていた気もしますが面倒なので確認していません)
一方デジタル化して希望する会員が10%くらいいれば、毎年1万円を更新料として取っても400万円位になります。
見る人は限定されるのでもっと取っても良いかもしれない。
移行の手間はかかるかもしれませんが、愛刀家の利便性向上に努める事も日刀保としてやっていくべきではないでしょうか。
日刀保関係の方がもし見てましたら是非ご検討よろしくお願いします。
(既になされているとは思いますが。。)


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