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刀装具の審査に対する要望など
今年の2月頃に初めて刀装具を保存審査に出したところ、不合格判定となった鐔がありました。
それが以下です。
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上記のように結構特徴が色濃く出ていたという事もあり個人的には桃山頃の埋忠の短刀鐔ではないかと考えていたのですが、残念ながら「製作年代若い」と一言あり不合格。
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不合格という結果自体に文句があるわけではないのですが、せめて「製作年代若い」というのが「いつの時代を指しているのか」を明記頂きたかったのと、更に言えばどこを見てその判断に至ったのかを一言記載頂きたかったいうのが本音です。
この鐔を審査に出した理由は、鑑定書を付けて価値を高めたい、売りたい、とかそういう理由ではなく、審査結果を受けて目の前の刀装具をより深く見れるようになりたい(勉強したい)と思った為なのですが、「製作年代若い」だけだと正直勉強にもなりません。
故にどこを見て製作年代が若いという判断に至ったのかという事を知りたかったのです。
確かに何千と来る審査品についていちいち理由を書いてられないというのも何となくは分かりますが、もしそういう理由だとしたら審査量を減らすなどしてリソースを確保して少し詳しく書いてあげるだけでも審査への信頼度が上がるような気もします。(ちょうど最近審査数の受け入れ数に上限が設定されましたね)
確かに審査結果について疑問点があれば日刀保に直接聞けば教えて頂けるのかもしれませんが、勉強の為とはいえ都度問い合わせるのも相手の時間を奪ってしまうので個人的にはばかれます。
という事でもう少し詳しく審査理由について記載されていればこうした悩みも減りそうで有難いと思った次第です。
審査費も合格なら17000円、不合格でも7000円という安くない費用が掛かっており、刀装具の古い本が1冊買える金額ですしね。
因みに、合格の場合は以下の様に合格「肥後」とだけ書かれたりするのですが、例えばこれも自分の想定したものと異なる場合もあると思います。
古金工だと思っていたら古埋忠に極まったなど。
そうした時もやはりそう極まる理由を後学の為に知りたいです。
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という事で何度も何度も同じことを書いて恐縮ですが、合格でも不合格でもせめて3行くらい審査結果について細かく書かれているとどの位しっかり見て頂けているのかも伝わりやすいと思いますし、納得度も上がり審査への信頼度も上がるのではないかと思った次第です。
因みに審査とは話は変わりますが、今回の鐔を試しに行光短刀に付けてみると不思議と格が合って見える気がしました。
刀装具の格を計る時に格の高い物と近づけてみてバランスが取れているか見るというのは個人的に良くしているのですが、格のあった物同士でないとバランスが悪く見えるので結構面白いなと感じます。
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)
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