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久々に帝国ホテルの霜剣堂さんへ
今日は久々に帝国ホテルの霜剣堂さんへ。
昔はよくお邪魔させて頂いていたのですが最近は原宿店の方にお邪魔する事が多くあまり行けておりませんでした。
世間はすっかりクリスマスですね。
エントランスにはバラの赤とツリーの緑が調和しており、クリスマスらしい彩色となっていました。
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この時期帝国ホテルは例年スイーツアート展(コンテスト)が行われていて、霜剣堂さんへ行くまで可愛らしいスイーツ作品を沢山見る事が出来ます。
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ということでお店に到着。
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入口には兼定の短刀が。
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ルーペが置いてあり、地鉄や刃文の働きなどがとても見やすく工夫されていました。
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尖った刃や互の目丁子のような刃をしており、全体的に匂口は締まりつつも刃はとても冴え、地鉄は板目が肌立っていたように見えました。
鑢目は線が斜めにクロスしたような鑢(檜垣鑢)で美濃や大和の刀工に見られる気がします。
聞きそびれてしまいましたが3代目疋定(ヒキサダ)の方でしょうか。
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拵は鞘尻が丸くなっている事からもともとは正式殿中差しの大小拵の小として用いられていたのでしょうか。
目貫は尾長鳥のような鳥が2羽仲良く飛んでいる様子が描かれています。
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店内では南北朝期の備前物や相州物を中心に見せて頂きましたが、大切先の備前物などは匂口が締まり気味で映りも明瞭で刃も健全で見応えがありました。兼光や元重と入札するも残念ながら外れ。
また個人的に刺さったのは丹波守吉道(大阪)の短刀でして。
初代京丹波を見るような、技巧的な簾刃が完成される前の刃中に働きが盛んで沸が厚く付いた覇気ある刃文を備えた作、と言えば伝わるでしょうか。
この辺りの刀工もその気になれば正宗に紛れるような作を作れたのではないかとつい勘ぐってしまいます。
何より年紀も入っており資料的にも貴重な作でした。
何やら年始から始まる即売会に向けて良さそうな刀が着々と準備されていそうな雰囲気です。
帰り際には即売会のハガキを頂いてきました。
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表紙は島津家久所用の太刀拵で如何にも桃山という金金した様子が雅です。
それにしても以前島津家の売立目録を見ていた際にやたらと主張の強い金具を見ましたが、今回の拵もやはりかなり主張が強めですね。笑
さすが大大名です。
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という事で久々の帝国ホテル旅でした。
いやぁ丹波よかったですなぁぁ。
年始の即売会にどんな刀が並ぶか今から楽しみです!
即売会は2025/1/4~1/13との事です。
今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き刀ライフを!
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)
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「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。