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横浜支部 刀持ち寄り鑑賞会(2024年1月)

今日は日刀保横浜支部の会員持ちより刀鑑賞会に参加しました。

今回は現代刀が中心でしたが、中でも靖要作と銘の入った短刀の姿と地鉄が特に美しく個人的にとても心惹かれるものがありました。
e-swordさんのサイトにこの刀匠の方の解説がありましたので引用させて頂きます。

靖要刀匠の本名は増田要で、大正4年1月10日栃木県生、昭和12年に東京九段靖國神社内日本刀鍛錬会に入会、初めは阿部靖繁刀匠の先手となり後に村上靖延刀匠の先手となる、昭和19年に陸軍大臣より刀匠銘靖要を受銘する、靖要刀匠受銘者数12人の内の1人です。
戦後は神奈川県茅ヶ崎で作刀を再開し新作刀展に於いては奨励賞を含む数々の賞を19回受賞する。(引用元:e-sword

柾がかった潤いのある地鉄に新藤五でもよく見る素剣の彫と裏には護摩箸の彫が施されています。

靖要刀匠64歳の頃の作と思われます
柾がかった潤いのある地鉄。
本来の新藤五の地鉄の模様とは異なりますが、靖要刀匠ならではの味なのでしょう。

地鉄の良い作は見ていて清々しい気持ちになるものが多く、引き込まれる力がある気がします。

一通り鑑賞が終わった後、折角の機会なので私も今年買ったばかりの菖蒲造りの歴戦の刀を持参していたので意見を頂く事に。
(歴戦の刀、は研ぎ減っているからという理由で私が勝手に名付けた刀で、詳細はこちらご覧ください。)

気になっていた点は再刃であるかどうかという点と、茎が生ぶかどうかという主に2点。
刃中の働きなど無くなってしまっている箇所があったり水影のような映りが見られた事もあり、これが単純な研ぎ減りによるものなのかいまいち自分の中で処理しきれなかった事もありそれらを支部のベテランの方にも見ていただき意見を求めました。
すると、匂口がはっきりしているし映りも良く出ているから再刃ではないだろう、とのこと。

茎については個人的には鎬筋の繋がりや茎孔の形状から生ぶ茎ではないかと考えていましたが、これもやはり生ぶだろうとのこと。
良かったです。

この刀については刃が無くなっている箇所や表面が研ぎでボコボコと歪んでいたりなどもし、個人的にはそれらを加味しても気に入ったから買ったのですが、多人数が集まる場に、まして参考になるような刀として相応しいかといえばお世辞にもふさわしくはありません。
特に健全性という指標が欠損している為、初心者の方の目を引っ張ってしまう可能性がありますので。
故にテーブルに並べる事はしなかったのですが、こういう刀を鑑賞に持っていくだけで怒られたりするかな、などとも若干懸念はしていのですが、「分かって買ったり持つ分には良いと思うし、(値段にして)あなた買うの上手いね。元々は良い刀だったと思うよ」とお褒めの御言葉まで頂けました。
自分だけでもこの刀の良さを理解していれば他の人から何を言われても良いや、と心では思いつつもいざ刀を良く言って頂けるのはやはり嬉しいものですね。

そしてその場にたまたま私が買う前日にこの刀を即売会で見た方も来ていました。その方もなんと良いなと思って頂けていたとのこと。
世の中は狭いものですね。
値段の安い物の中にも楽しめる作はあるよね、と話も盛り上がりました。


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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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