異風な刀掛けを手に入れました①
少し異風な時代物の刀掛けを手に入れました。
江戸時代初期の茶人である金森宗和が所持したと伝わる刀掛けで、大阪の豪商であった平瀬家旧蔵品でもあります。
この刀掛けの作者は桃山から江戸初期にかけての芸術家であり、代々刀剣鑑定や研磨を家職としていた「本阿弥光悦」とされていますがどこまで本当かは分かりません。
しかしそれ以前にこの木の質感や、補修と思われるつなぎの跡など、実に詫びた感じがたまらず実に自分好みの刀掛けです。
さて、丸い形状の刀掛けは個人的にはまだこれしか見た事がありません。
なぜ茶人である金森宗和が好んだのか。
実に茶室に合いそうなデザインに感じるが、もっと何かこの丸い形に意味があるようにも。
そう思い暫くぼうっと眺めているとこの丸い刀掛けが「月」に見えてくる。
もしかすると、月を背景に菊の花(裏返すと梅の花)を楽しめるように作ってあるのではないか。
もしくは丸窓から見える景色だろうか。
丸窓を覗くとそこには菊の花(梅の花)が咲いている。
では刀掛けに空いた透かしは何を意味しているのだろうか。
この透かしがある事で全体が野暮ったくなくならずに済んでいるように感じるが、それだけの意味であろうか。
例えばこの刀掛けを外に置いてこの透かしをのぞき込み、そこから本物の月が見えたらどうだろうか。
疑似的な丸窓に実際に月の灯が差し込んできて景色が完成しそうでもある。
しかしあまりピンとこない。
という事でもしやと思い刀を掛けてみた。
そして、刀を取ろうとしてみた。
うん、実に取りやすい。
透かしに丁度こぶしが入る。
では透かしの狭い上段は?というと、取りづらいのでこの理由は関係なさそうな気もするが、もしかするとこうした機能的な面も少し意味としてあるのかもしれない。
今度実際にこの刀掛けに本物の拵を掛けてみようと思います。
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑
「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。