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目貫に付属していた古文書を解読する

刀装具の解読シリーズ。
…というシリーズがあるわけではありませんが、過去に鐔に書かれた古い文字をアプリや専門家の方の力を借りながら2つほど解読してきました。


今回はその3回目として目貫に折紙と共に付帯していた古文書を解読してみようと思います。

レッツトライ

右の折紙はよくあるもので特段難しい書体も使われていないので、今回はこの左側の書状のようなものを解読して見たいと思います。

うーん…全然わからんですね。。。

まず今回は「ふみのは」というTOPPANさんが制作された古文書アプリを使用します。


撮影した写真を選択して解読ボタンを押すと…

どうやら「関鉄太郎さん宛ての『御報告』という手紙」である事が分かりました。

次に中身も同様に解読してみます。

これで漢字やひらがなが抽出出来ましたが、まだ読みづらく何と書いてあるか良く分かりません。
そこで次に解読したテキストをコピーして貼り付けてみます。
すると以下の様になります。

【ふみのはアプリにより抽出した文字】
長谷厚物怱哉迄昨日指上申御用賃様帋料下地小札料御引被遣候故先被仰遣ニ二申四両前時候様十其引ケ申儀共横井様少相取候月相成し申又非同様小札之分ハ右御家江頼申候得者よろと候得共肥同様ヤ札横井様江事故如何哉難計候恐し先其分遣之候又々得と聞合こなたゟ上候間左様御承知可被候者先々ろ申上度御返事夫者様拝顔之共ニ早も卯月廿四

分かりそうで…まだ全然わかりません。

そこで今度はこれを「chat gpt」に「現代語訳して」と伝えて解読してもらいます。
それが以下です。

【chat gptによる現代語訳】
長谷(厚物)の件についてですが、昨日ご指示を仰ぎ、申し上げました御用としての賃金や紙料(材料費)、下地、小札(こざね:鎧の部品)料などが引き渡されましたので、まず仰せつけられた内容に従い、それに二両四分(の金額)が前回分に相当するようです。その引き分けについても、横井様の方で少々調整されている月日となりました。また、小札の分については、右の御家(依頼元)にお願いすることでよろしいかと思われますが、同様に横井様のほうに事情を確認すべきか迷っております。
恐れながら、まずはその分をお送りいたしましたので、またご指示をいただければ幸いです。こちらで調整している間に、左様の内容でご承知いただければと存じます。いずれにしても、改めて申し上げたいことがございますので、ご返事をお待ちしております。それについては、拝顔の際に詳細をお伝えしたいと思います。
早くも卯月(4月)24日

つまり何について書かれているのか分かり易く教えて、とchat gptに教えてもらいました。

chat gptより


前提としてふみのはアプリで全ての文字を正確に抽出出来ているわけではないので、正確な内容がフィードバックされているかは怪しい(何度か色々な写真を撮り解読に掛けると同じ写真でも撮り方により解読結果が変わる部分がある)ですが、どんなことが書かれているかの大まかな事は分かりました。

今回で言えば「何かしらの工作の進捗やそれにかかる費用についての相談、今後の進め方について後日相談したいなどの打診が書かれている」ように思えます。
ただ注意点としては同じ箱に入っていたからといってこの目貫の事を言っているとは限らない、ということでしょうか。
長い歴史の中で別の物が間違えて入れられてしまう事もあるでしょうし。
手紙の受取人と差出人を調べて更にこの目貫の事が書かれている文書が見つかった時に初めて歴史が一致すると言えるかもしれません。


勿論正確な情報を読み取るにはまだまだ専門家の方の精査が必要になると思いますが、とはいえ素人の方で何となくでも書いてある内容を知りたい、という方にとって手がかりを得られる実に便利な世の中になったものです。

それにしてもchat gptにお礼を言ったらキラキラした絵文字を使って返してくれるようになるなんて…。

chat gptより



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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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