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誉疵(ほまれきず)

刀の傷の中で唯一マイナス評価されない誉疵。
実際に刀を鑑賞していると、そういった疵を見かける事が度々あります。
その傷を見ていると歴戦の戦いをつい想像したりしてしまいます。
今回は誉疵についてご紹介します。

①誉疵とはどんなもの?

刀や矢を受けた際に出来る疵の事で、以下のようにはっきり見えます。
因みに刃側に付いた「刃の欠け(刃こぼれ)」などは研ぎによって消えている事も多く、研がれることのない棟側に誉疵が残っている事が多いです。

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(画像転載元:https://www.touken-world.jp/tips/9765/

以下が実際の切り込み疵です。

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(画像転載元:https://samuraigallery.com/2018/03/19/swords_kaitori/)


②誉疵は歴戦を経た証?

想像に容易いと思いますが、戦で出来た傷であり当時の戦の壮絶さを物語っています。
必死に相手の攻撃を受けた際に出来たものでしょう。
その数秒後かには刀の所有者か敵のどちらかが命を落としているかもしれません。
そんな一瞬を物語っている傷が誉疵です。
刀を鑑賞しているとその美しさで美術品としてしか見なくなることがありますが、このような切り込み疵を見ると、やはり刀は武器だ、と言う事を改めて実感させられます。

但しこういうことを感じられるせいか、誉疵のついた刀が欲しいという人もいるくらいに人気らしいです。
誉疵はこうゆう証でもあるので、刀にこのような傷があったとしてもマイナス評価にはなりません。


③(注意)偽物の誉疵もある

故意に付けられた誉疵がもあるようです。
ちょっといつの時代かは忘れてしまいましたが、誉疵の刀を所持したいという人が多くいて、あえて誉疵をつけて売っていたという歴史もあるそうです。

本物との見分け方は私には分かりませんが、そうゆうのもあるらしいので安易に誉疵があるからと言って飛びつかない方が賢明かもしれません。
(時々棟に5か所位切り込み疵が入っている刀を見ますが、傷は本物か、偽物か、真相は闇の中です…)


④刀身以外にもつく誉疵

刀身だけではなく、鍔にも誉疵が付くことがあります。
一瞬一瞬の立ち合い風景を想像してしまいますね。

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(画像転載元:https://touken-shinan.com/%E5%88%80%E7%96%B5%E3%81%AE%E8%A7%A3%E8%AA%AC/)



⑤実際に誉傷のある著名刀

・山鳥毛
(表題の画像は以下から転載しています)

・石田正宗



⑥終わりに

刀は人を斬る為の道具、そして自分自身を守る為の道具、綺麗綺麗だけが刀の本質ではないですね。
誉疵は1人1人の生死の瞬間が刻み込まれていると言っても過言ではないのかもしれません。
疵があると気になってしまうのが多くの人の性だとは思いますが、こうした誉疵はその刀の歴史の一つです。
その歴史を楽しみつつ、疵を含めてその刀の良さだと認識出来ると素敵ですね。

冒頭にも書きましたが、誉疵は刀剣界でマイナス評価になりません。
しかし、それ以外の傷は全てマイナス評価になるらしいです。
他の疵についてはまた今度紹介しようと思います。

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それでは皆様良き御刀ライフを~!

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