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剣(粟田口)④ 拵のこと

前回


今回はこの剣に付帯している拵について紹介しようと思います。
特段良い拵というわけではなくおまけ程度の拵には思うのですが意外に凝った面白い部分などもあります。

銀杏の目貫が付いています。
裏を見てみないと良く分かりませんが、単品で買うとしても5000~1万円位で手に入る目貫ではないでしょうか。
ただ拵に用いるデザインとしては上品さを感じます。

出し目貫なので柄糸などで抑える事が出来ないので、松脂などで固定していると思われます。



獅子や龍など動物の目貫は躍動感から武士の気概などが感じられるような気が個人的にはするのですが、こうした植物の刀装具はどちらかと言えば戦闘とは関係の無い部分、例えば武士の教養の高さを感じさせてくれる気がします。(といっても今回の拵は恐らくそこまで時代の上がるものではなく、幕末~近代あたりのような気もしていますが。鞘部分は柄と同じ時代には見えないので塗り直したり近代制作の可能性もありそうな気がしています)

そしてこの拵の面白いところは表裏で鞘の模様が異なる点。

表:木の表面のようなデザイン
裏:シボのようなデザイン

塗自体がちょっとウレタン塗装っぽくもあり玩具っぽさも感じるのですが、この辺りの工夫は面白いです。

そして剣の拵なので、抜くとこのようになっています。

つなぎ

なかなか見ない形で面白いですね。
因みに目釘は以下のように少し摘まみ部分があります。

拵では指で外せるようにこのようになっているのもまま見ます。
という事で簡単ではありますが、剣の拵の紹介でした。



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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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