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竹虎鐔が届いたので鑑賞
先日の話の中で購入した鐔が届きました。
竹と虎が描かれた「竹虎図」という題材で赤銅の鐔です。
写真で見ていたよりもかなり良く大満足です。
猫っぽいですが虎です。
江戸時代を通じて人々が実物の虎を見ることは殆どなく、多くは中国や朝鮮から輸入した虎絵を参考にしたり、虎に似た身近な猫をモデルにして描かれたそうです。
なので虎が猫っぽくなってるんですね。
日本画の虎も良くこのようなモチーフの図柄をしています。
(画像出典:伊藤若冲 Ito Jakuchu)
(画像出典:日本の動物画 狩野芳崖)
本物の虎と違い表情が愛くるしいです。
しかしどことなく目から獲物を狙っているような鋭さを感じます。
そして購入時に見ていた画像では気が付かなかったのですが、細かい毛の1本1本まで鏨が入っていました。
それにより光を当てた時に虎が光り浮き出てくるように感じます。
ここまで作り込まれているとは思っていなかったのでこれは実に嬉しい。
裏面は竹のみが描かれています。
作者は伊予国(愛媛県)の正阿弥盛富という金工です。
伊予正阿弥は豊臣秀吉の重臣である加藤嘉明が慶長8年、松山に入城する際に京都から京正阿弥を招いたことに始まります。
文化3年(1806年)、文化11年、文化14年、文化15年の年期作が存在しているとの事。
また銘は、「イシマツ山」や「森富」と切銘する事もあるようです。
名前は知りませんでしたが、この鐔を見ているととても丁寧な作り込みが感じられて好きな金工の一人になりました。
尚、保存刀装具の鑑定書が付いています。
・似たような鍔も
同じ正阿弥盛富の作で以下のような虎図鐔もありました。
構図と言い鐔表面の凹凸といい、こちらもとても魅力的だったのですが残念ながら売約済み。
売っていたら是非欲しい鐔でした。
(画像出典:銀座長州屋 猛虎図鍔 銘 松山 正阿弥盛富花押)
・終わりに
今回初めての赤銅鐔ですが、柔らかい虎の表情の中に目力の強い鋭さを兼ね備えているような雰囲気が伝わってくる鐔でとても気に入っています。
虎の黄金色の縞模様は金運の象徴とされ、寅の日は吉日の中で最も金運に縁がある金運招来日と言われている程です。
この虎鐔は金運アップの思いも込めて近くに飾って置こうと思います。
それにしても鐔も良いですね。
小さな範囲に世界が凝縮されています。
ますます刀装具の沼にはまりそうです。
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)