古金工 菊花透鐔③ 二十五花弁図
山銅地の大ぶりな菊透鐔。
横92.5×縦93×切羽台厚4㎜。
茎孔は縦35㎜と相当大きな大太刀に掛けられていたと思われる。
デザイン的には上杉家の菊花透鐔にも円形に菊の透かしを彫った物がある。
図録「上杉家の名刀と三十五腰」には南北朝期頃の鐔とされており、径は102㎜×99㎜、厚さ5~7㎜と大振りで、茎孔も写真から推定すると縦寸法で34㎜ほど空いているように伺える。
上記解説から引用すると「表面は平らでなく金槌で叩いたままのでこぼこ、透彫も鏨できったままで、鑢をかけていない。南北朝時代の素朴な作であり、手作りの好ましい味が感じられる。(渡邉)」とある。
手元の鐔を見てみると、黒漆が残り、解説にあるように表面は平らではなくでこぼこしており、透彫も鏨できったままで鑢はかけられていない。
また、これと似た特徴は以下の鐔にも見られる。
今回の鐔に話を戻し、茎孔周辺を見ると茎孔上部と下部はかなりギリギリまで攻めており、両櫃孔の位置から鞘の大きさを考えれば非常に薄造りの鞘が付いていたと想定される。
これらのことからやはり時代の上がる鐔と考えているが、特に大太刀はやはり南北朝期に流行ったスタイルであり、南北朝~室町初期頃の鐔と考えるのが自然ではないかと現時点では推測しています。
こんな感じで。
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