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「刀剣博物館 館蔵品・寄託品展」を見て
現在刀剣博物館にて、館蔵品寄託品展が行われています。
刀剣博物館所蔵の名品や寄託された名品が一同に会している展示会で、重要美術品や重要文化財という品が沢山並んでいるとの事で早速見てきました。
写真はNGの物もありますが、撮影可のものもあります。
この展示会は2022年11月23日まで行われています。
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①気になった作など
・地斑映りの鮮明な古一文字宗吉
宗吉は福岡一文字派で1219~1222年頃に活躍した刀工と考えられいている。
この作はとにかく地斑映りがとても鮮明に立っている。
映りが分からない人でもこの作を見れば一瞬で映りが分かることだろう。
刀剣本を何冊も読んで映りの勉強をしなくても、この作を直接見れば映りについて理解できるに違いない。
とにかくここまで鮮やかな地斑映りが立った作はなかなか見ないので眼福であった。
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ぜひ以下の動画版を見て頂きたい。
日本刀の「映り」ってどれの事?という方、刀剣博物館へレッツゴー🏃♂️
— 刀箱師 | 中村圭佑 | 展示ケース作家 | 刀とくらす。 (@katana_case_shi) October 4, 2022
刀剣本見るより飾ってある重要美術品の古一文字宗吉を見た方が一発です!#刀剣博物館#館蔵品寄託品展 pic.twitter.com/anXjfeEy47
・人間国宝、大隅俊平の直刃薙刀
大隅俊平は1932年~2009年に活躍した現代刀工であり、無鑑査であり、人間国宝である。
直刃にこだわり数々の名刀を残していることは有名。
この薙刀もまた直ぐ刃であったが、何より匂口がピンと締まり整っていてとても美しい。直ぐ刃は破綻があると目立つので難しいと聞いた事があるが、この薙刀は区から先まで一切の破綻なく綺麗にまとまっていた。
地鉄は黒みを帯びていて、雰囲気としては新刀あたりの鉄の雰囲気にも似ているような印象を個人的には受ける。
姿もとても美しく人間国宝の凄さを思い知らされた作。
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・鮮やかな短刀拵
こちらの拵は江戸後期の作とのこと。
変わり塗りを駆使して様々な色味、模様を見事にまとめ上げている。
普通これだけの色を使おうとすればどこかで色同士が喧嘩してしまいゴチャゴチャしてしまいそうな気もするがこちらの拵はとても上手く纏められている。
加えて鐔の耳部には細かな細工が施されており、金具1点1点に至るまで手抜きが一切ない。
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鞘の表面をよく見ると、1枚1枚色だけではなく模様が違っている事にも気が付く。言い換えれば1つ1つ異なる変わり塗りを施しているわけで、製作に掛けた時間も相当なものであったのではないだろうか。
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以下に動画版を上げていますのでこちらも是非ご覧ください。
この短刀拵の色の組み合わせが素晴らしくデザインも凄く洒落ていました😊
— 刀箱師 | 中村圭佑 | 展示ケース作家 | 刀とくらす。 (@katana_case_shi) October 4, 2022
鐔の耳部に施された細工もとても美しかったです。#刀剣博物館 pic.twitter.com/0ahSimkGLp
・不思議な絵「アナモルフォーズ」
アナモルフォーズとは、特定の位置で反射させた状態で見ると絵が浮かび上がるという技法らしい。
16世紀にオランダで流行り、日本でも18世紀末に流行ったとの事。
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何というか気が付いた時の衝撃や感動たるや、凄いものであった。
こういう一つひねられた発想というのは実に面白い。
②終わりに
こちらの展示は11/23までですので、興味ある方は是非行かれてみてはいかがでしょうか。
他にも刀や刀装具の名品が沢山展示されています。
個人的に言えばあとは埋忠明寿の鐔と光忠の鐔が並んでいた事も比較出来てとても良かったです。
明寿は何度見ても真鍮の色味や詫び寂びを感じる構図、象嵌の丁寧さに心打たれます。
帰りは刀剣博物館横にある安田庭園で少しのんびりしました。
人も少なく時間の流れがゆっくりに感じるこういった場所はとても好きです。
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)
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