薙刀直し
薙刀直しは薙刀を脇差サイズに直した物であり、以下のような形状をしています。
一方以下が普通の脇差の形状です。
違いは「横手がない」ところ、と言っても分かりづらいと思いますので、切先あたりを比較すると違いが分かり易いかと思います。
個人的などうでもいい話をさせてもらうと、私が中高校生だった頃はビッターズというオークションサイトをたまに見てはやたらと薙刀直し(菖蒲造り)の脇差や大切先の刀が欲しいという、強い憧れがあったのを良く覚えています。
今は少し好みが変わった為か買うまでは至っていないのですが今でも見ると良いなぁと思います。
確か「たそがれ清兵衛」という映画で主人公が薙刀直しを使っていて憧れたような気が。記憶が定かではないですが。(以上どうでもいい話でした)
・薙刀直しは帽子が焼き詰めになる?
話を戻します。
薙刀直しは字の通り、薙刀を脇差に直したものですが、どう直したかと言えば意外に単純です。
まず元の薙刀の形が以下です。
これを赤線位置で切ると薙刀直しが出来ます。
すると帽子の刃文に返りが無くなる事が分かるかと思います。
なので薙刀を直している場合は基本的に焼き詰め(返りがない)帽子になるようです。
これに返りがあると後世に薙刀直しを写したものと言えるそうです。
なので返りがあるのに「古名刀」なんて表現があると…。
これ以上は止めましょう。
確かに以前拝見して良いなぁと感じた重要刀剣の青江の薙刀直しを思い返すと直刃の焼き詰めになっていました。
帽子の返りの有る無しから製作年代が分かるというのもまた奥が深いですね!
薙刀直しを見られる機会があれば是非帽子部分にも着目して見ると面白いかもしれません。
因みに以下は源清磨の薙刀直し(重要刀剣)です。
帽子が返っているので写した事が分かります。
(※以下は源清磨の正真作です。写したというのは薙刀直しの姿を清磨が写して製作したという意味ですので誤解のなきよう)
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)