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お金を出して刀を買う事の意味②

以前以下のような記事を書いていましたがあれから4年ほど経ち改めて思う事を追記。

当時刀を買う事で良かった事として3点ほどばらばらと挙げていたものの、まとめるとすれば「刀が好き」という気持を3倍位に拡張出来た事だろうか。
具体的にはその刀に関する調べものをしたりなど、美術館でガラス越しに刀鑑賞するだけの時などとは違い一歩踏み込んだ趣味の時間を作れた気がするし、刀剣店では更に色々な刀を見せて頂きながら刀について話す事で本から得られない視覚的な生の情報を得られるようになったりもした。
こうした事もあり、刀が好きという気持ちにより拍車がかかったように感じる。

結果私の場合は刀の展示ケース作りという新しい仕事、道に進む事になった。これは刀が好きな結果こうなったという話なだけであるが、自分の人生の舵を大胆に切るほどに好きになれたり、夢中になれる趣味というのが今まで見つからなかった自身にとってはとても嬉しい事だった。


そこから暫くして(別の記事で書いた記憶があるが)刀装具なども好きになった事でその辺の道端に生えているような草花など、今まで見過ごしていたような身近にある美しさにも少し気が付けるようになった。
今までスマホばかりみて外の景色に目を向けなかった私にとっては実に新鮮というか不思議な感覚であった。

これは刀というレンズを通して自分自身の感性を少し磨けた結果ではないかと思う。とはいえまだまだ曇りガラスのようなレンズではあるが。
しかしスマホでゲーム課金ばかりしていた時と比較すれば心身ともにだいぶ健全になったように思う。
これも元を辿れば刀を買った結果だろう。

そして最近感じる事は、人付き合いが拡がったという事。
国内外の愛刀家の方や職人の方との繋がりが明確に増えた。
愛刀家の方と刀剣店に行ったりする事も増えたし、刀の即売会で気が付けば同じ場にいる方と年齢問わず刀談義していたりも増えた。
趣味なので黙々と1人気に入った刀を探し続けるというのもまた楽しいのだろうが、こうした同じ趣味を持つ人とあーだこーだと話をする時間というのもまたとても面白く、満足度の高い時間の過ごし方が出来ている気がする。


こうして文章に起こしていると、最初は刀を見るのが好きという「自分自身と刀」だけに向いていた世界が、徐々に日常にある刀以外の世界に気持ちが向いていき、人付き合いの幅が広がっていった、こんな感じだろうか。
分かりづらいので穴開け工事で例えると、刀を買う前は小さな穴をあけた状態でしたが、刀を買った後はその穴を真下に更に深く深く掘り下げて、日が経つにつれて穴の直径を広げている、そんな感じでしょうか。

まとまりない文章になってしまいましたが。
刀を買う事はある一定期間刀を預かる権利を買っているだけ、と言えばそうなのですが、思いのほか自分自身の考え方や環境をより良い方向へ変える事に繋がっているかもしれないと思った次第です。

刀を買わなければきっと葉桜が好きになる事も無かったでしょう…。



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それでは皆様良き刀ライフを!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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