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刀の大衆化について思うこと

日本刀の大衆化はそもそも必要なのか?
昔考えていた事があったのでその辺の自分なりの考えを書きます。

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①大衆化する上での懸念点

大衆化をするという事は非常識な人、犯罪を犯しうる危険な人も同時に増える事に繋がり、ひいては文化レベルそのものを下げてしまったり世間一般のイメージダウン(刀は美術品ではなくただただ危険な物、というように)に繋がる可能性も大いにあります。
文化レベルの低下は知識の低下とも言えるので、例えば刀を鑑賞する時のマナーを守らない、刀を料理に使うなど、本来守っていくべき刀という文化財が壊されることにも繋がります。
これは大衆化する上で抱える問題点かと思います。

②大衆化しない懸念点

一方で大衆化しないで常識のある教養ある人だけで楽しむという文化は、
非常識な人や危険な人を入口で排除できるので文化レベルの維持はしやすいと思われます。
しかし中の人が頑張って勧誘や育成をして後世に繋いでいく人を育てていかなければ、年齢を重ねる毎に徐々に参加人数が減っていき、刀を愛好するという文化そのものが衰退しかねません。
衰退すれば刀職なども消滅します。
日刀保の会員数が毎年約150名ペースで減っている事からも今はその傾向にある気がします。


③大衆化にも段階やレベルがある

大衆化というと、今まで5000人くらいだったところに一気に数十万人もの人が刀を扱うといった極論ケースを想定するかもしれませんが、そんな事にいきなりなるかといえば当然なりません。
勿論常識や知識ある人が10万人刀を愛好してくれればそれほど嬉しい事はありません。が、実際にはその段階はまだまだ程遠く今考えるには現実的ではない事は明白です。
業界で目標値があるかなどは知りませんが、今の段階で言えば5000人愛刀家がいるところを5500人位(10%増)にしたいという段階かもしれません。(数は適当であくまで個人的な予想)
500人くらいであればまだ常識ある人のみを選別する事は可能かと思います。その500人が正しい知識を持ってそれをそれぞれ1名に伝えていけば1000人になります。その1000人が…という様に繋げていけば愛刀家は指数関数的に伸びていきます。
まぁ机上の空論ですが千里の道も一歩からという事で。
500人くらいなら簡単に増やせると思うかもしれませんが、これはかなり難しいと思います。


④文化維持の為に新しい事への挑戦は必要と考えます

今はまだまだ愛刀家は60歳以上の方が中心かと思います。(大刀剣市の来場者の感じを見てみても)
結局今までと同じことを同じ努力ベースで続けてきた結果が今の現状だと思うので、このまま今までと同じ事をしていたら亡くなる方のペースが新規層を上回ってどんどん減っていきます。
それでもいいよという方もいるかもしれませんが、私はそうは思わないので、思わない場合は何か新しい事に挑戦していかないといけません。
私の場合は部屋に飾れる刀展示ケース作りを通して「刀とくらす」というライフスタイルの提案(所有者の周りの人にも刀の美しさを知って貰いたい)をしていたりますが、これが正解なのかも分かりませんが。

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他にもYoutubeで正しい知識やマナーを紹介した動画をアップする、支部や刀剣店で直接正しい知識やマナーを教える、刀屋見学会を行う、刀レンタルサービスをする、各々で刀鑑賞会を開く、刀剣本の読書会をする、美術館鑑賞会をする、色々な事を色々な方がやっています。
何が正解かは私も分かりませんが、正しい知識やマナーを知って貰い理解してもらった上で多くの人に刀の良さを広めていくという前提の環境が整っていれば私は何でもアリだしどんどんやった方が良いと思っている派です。

現在もそうですが、例えば刀剣店で事件を起こしそうなやばそうな人が刀を買おうとしてれば販売をしないはずです。そういう意味ではある意味そこでは既にスクリーニングされていることになります。
個人的には「刀はネットで買える」という事実が独り歩きして広まり、マナーや知識がない状態で刀を所持する人が増える方がよほど怖いです。
まだ身の周りでは刀がネットで買える事を知っている人は少ないので、ネットで刀を買った人に対してどうマナーや正しい知識を伝えていくか、この辺りを上手く対策する方が大衆化という面では先の課題なのかもしれません。

自分が出来る事と言えばSNSやブログで発信する事や展示ケースを作る事くらいしか出来ないので、細々と自分の出来る事を自分なりに続けていこうと思っています。


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それでは皆様良き御刀ライフを~!

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