出会いは縁でも掴む決断は知識から (日本刀の話)
最近思う事がよくあるが、知識がない時に良い物を見せて頂いていてその時はさして興味が無かったのだが、後から勉強するにつれてあの時見た物が実は凄く良い物だった事にふと気が付く事がある。
そして思い立ったが吉日で問い合わせて見るが大体既に売れている。
残念ながら手に入れる事は出来ない。
仕方がない。
出物があった時に豊富な知識とセンス、お金のある人がそういった物を手にしていく。
自分が良いと思わなくてもそれの本質的な良さに気づく人はいるし、自分が良いと思っている物は得てして他の誰かも良いと思っているのだ。
いずれにしても良品は出ても直ぐに次の人の手に渡る。
そして一度納まるとなかなか出てこない。
名品との出会いは縁や運の要素が強いが、それが出た際に掴み取るのは運では無くそれを良いと感じる事の出来る実力やセンス(あと交渉力)なのだと最近感じる。
そしてその実力は知識や経験から来るのだ。
本を沢山見て頭をでっかちにする事も大事であれば、本物を沢山見て感覚的に「これは良さそう」という第6感的なものを体に刷り込むことも大事なのだ。
・ビギナーズラックはあるか?
さてさてでは知識も経験も浅い状態でビギナーズラックで良い物を手に入れる事が出来る方法はあるのだろうか。
これは私も過去に経験した事がある。
そしてそれは、お店の方がこれは良いと言う物を信じて買っておいたものだった。勿論自分自身もそれを気に入ったから買ったのはいうまでもないが、それが良い物かどうかは当時分からなかった。
一方で自分の感覚でネットで選んだものの中には失敗したなと思う作も結構ある。
この事からも私の場合は自分の感覚で買う方が失敗率が高い。
最初からずば抜けたセンスをお持ちの方もいるだろうが、私のように知識がない一般的な人の多くは知識があって信頼出来そうな人を見つけて頼る方が失敗しない事が多いのではなかろか。
そしてその信頼した人が紹介してくれた品を手元に置きつつ日々調べ事をしたり鑑賞したりする事で知識や経験が身に付いていき、なんやかんやそれが最短で知識や経験を得られる方法なのではないか、というのが私の持論。
当然ながらその品以外のことも教えて頂ける事も多い。
しかしこれは当然リスクも伴う。
人選びを間違えると終わる。
品自体への落胆もさることながら、その人から裏切られたような気持ちになるというダブルパンチ。
いや、更に品を見る度にその事を思い出すというトリプルパンチが来る。
だから人選びは物選び以上に慎重にしなければならないのだと思う。
裏を返せば人選びが上手くいっているのであれば、以降も品を安全に買う事が出来るという事でもある。
・終わりに
豊富な知識と経験が自分自身にあればこれほど良い事はないが、きっと誰もが最初は知識も経験もないはずだ。
今は大先生と呼ばれている方々も皆どこかで無知識、無経験のスタートがありその時は詳しい誰かに頼っていたはずなのだ。
話をまとめると、出物があった時につかみ取る為に知識は大事な要素であり、知識を付ける最短ルートは誰か頼る事ではないか、という話でした。
騙される事もあるかもしれませんが。
とにかく知識や経験がない時ほど飛び込む(購入の決断)事が出来ないのですが、知識を付けてタイミングよく飛び込まない限りそういった品を手に入れる事は一生できないと感じる今日この頃です。
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)