刀を買って4年、一向に増えない語彙力
最初の1振を買ってからはや4年が経つだろうか。
当初は刀を見て「綺麗、美しい、カッコいい」位の感想しか浮かんでこず、刀を見せて頂いた時はその3語だけしか発していなかったように思う。
沸や匂なんて言葉は知らなかったし、どんな刀が好みか自身でも分からなかったのでしょうがない。
4年経った今はどうだろうか。
普通会社で4年目と言えば業務にもすっかり慣れ、第一線で活躍している頃だろう。
それがどうだ。
この4年で変わった事といえば、「匂口が深くて綺麗」、「乱れ映りが鮮明で綺麗」とか少し専門用語を交えてそれっぽく感想を言えるようになったこと位だろうか。まだまだ浅いが…。
しかしどんなに言葉を飾ってみても辿り着くワードは綺麗とかカッコいいとか美しい、なのである。
そして未だに圧倒されるような名刀を見た時の感想と言えば「綺麗、美しい、カッコいい」という語彙力を全て失った単発の言葉しか出てこないのである。
4年前と変わらない。
とはいえ4年前は見る刀全てに感動していたのが、今は見慣れてきて好みも出てきた事もあり全てに感動しなくなったのは正直な所ではある。
色々刀を見ていく中で圧倒される基準が昔よりも少し高くなっているのだろう。
ふと思ったが国宝や重文級の刀を沢山集めている人は刀を見てどのような感想を頂くのだろうか。
世界が色褪せて見えたりしないのだろうか。
私はまだまだ名刀を見る事で語彙が飛ぶほど感動できる事が多々あるが、もしかするとこれは大名刀ばかりを集めた人からすれば凄く貴重な感覚なのかもしれない、とも思う。
今は今で刀を見るのは勿論楽しいが、4年前の刀のカタチをしていれば何でも感動していた頃はそれはそれでとても楽しかった。
これから先の10年で気持ちはどう変化するのだろうか。
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)