刀ケースをお納めした方の御宅を訪問!
卓上刀箱をお納めさせて頂いた方の御宅を訪問させて頂きました。
なんとリビングのテレビ上に飾って頂けました!
飾って頂いている刀は備前長船盛景。
南北朝期の大宮派の祖と言われている刀工の作です。
長義のように地景が美しく刃に絡みながら、スポットライトで刃を照らすと映りが浮き出てきます。
帽子も全く減っておらず、如何に大切にされてきたが分かる名刀でした。
・こんな御刀も見せて頂きました!
なんとお子様の御守り刀として依頼された新藤五国光写しの短刀!
姿から刃文の形まで完璧に再現されており、刀工の方の技量に驚かされました。(本物は少し研ぎ減っているらしく、厚みだけ製作当初の形を想像して作刀されたそうです)
こんな素敵な短刀を貰ったら天にも昇る思いになりそうです^^
・刀の飾り方について
ついでなので刀の飾り方について時々ある質問についての回答です。
まず刀は好きな向きで飾って良いです。
よく刀だから刀置きにしないととか、太刀だから太刀置きにしないとと悩まれる方もいますが、基本的には好みなのでどちらでも好きな方で構いません。
さらに茎は左側に来るように飾るのが一般的な展示方法ですが勿論逆でも構いません。
太刀置きにしたいけど反対面を見せたい時などは有効な方法ですね。
・卓上刀箱の調湿材と刀身の保管について
ついでなのでこちらも。
ケースの土台は蓋になっており、下には調湿材が入っています。
同梱している調湿材は活性炭の物を使用しているので、定期的に日干しする事で半永久的に使えます。
普段の使用方法としてはケース内に温湿度計を入れておき、湿度が60%を超えるようであれば、エアコンなどで除湿する事をお勧めしています。
(ただ60%を超えていたからと言って数日で直ぐに錆びるわけではないのであまり神経質になる必要は無いとは個人的には思います)
またその際に調湿材も日干しして効果を戻します。
そして可能であれば1週間に1回くらいは刀身を出して柔らかい布で拭ってあげて欲しいです。
しないと錆びるわけではないですが、刀は手に持って鑑賞してこそだと思うので、ケースに飾った後も刀にはどんどん触ってほしいと思っています。
製作している展示ケースは全て刀身を直ぐに出せる様、鍵で簡単に解錠出来るよう作っています。
因みに私は展示の際に刀身に油は塗っていません(美術館も塗らないで展示する所が多いそうです)が、上記方法で新作刀でも錆びた事はありません。
1回実験的に4ヵ月間、新作刀をケース内に入れて放置し状態を確認した時期がありましたが、その際も問題はありませんでした。(←この期間の放置は推奨していないです。あくまで実験として。)
勿論住まれている地域や住宅環境で若干変わるとは思うのであくまで私の家の場合とはなってしまいますが。
・展示ケースに飾った事での変化
刀展示ケースに飾る事で今までと変わった事としてよくお客さんが言って下さるのは、「しまっていた時よりも鑑賞頻度が増えた」という事。
確かに私も部屋に刀を飾っていますが愛刀を見ない日は無いですし、見るとなんだか触りたくなるので、3年経っても未だにほぼ毎日手に取るのは展示ケースに入れて飾っているからかもしれません。
また白鞘からの出し入れが無いのでヒケキズのリスクなどは減ります。
・終わりに
リビングに刀を飾って頂けたのは本当に嬉しいです。
リビングに刀があれば、家族は毎日刀を見る事になります。
ふと遊びに来た友人や知人も刀を見る事になります。
現時点で奥様は刀に対してはドライらしいです(笑)が、これから生活の中で毎日刀を眺める事で少しづつ刀が身近なものになり、そして刀ってなんか良いなと感じて貰えると嬉しく思います。
そしてお子様も日々の生活の中で刀が身近になり、それを扱っているお父さんやお母さんの姿を見て、飾っている刀が家の大事なものと自然と認識してくれるはずです。
そうなれば将来子供に刀を引き継ぐ時に「いらない」と言われる可能性は減るはずです。
刀を次の世代へ継承しやすくする為の環境作りも展示ケース作りを通してしていきたいと考えています。
今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
製作している展示ケースについては以下をご覧ください↓