見出し画像

純粋に刀を楽しむ難しさ

刀を美術品としてみる場合、欠点と言われている要素がいくつかあります
欠点は購入時や売却時の価格に関係してくるので神経質になる人も多いです。
例えば人の体験談を聞いていると購入時は気にするほどの疵じゃないと言われていたのに、売る時になってその疵を理由に買取金額を下げるところもあるとか無いとか。
そんな所もあるとなるとやはり購入時はより真剣に欠点探しをするのですが、そればかりしていると気付かぬ内に欠点探しばかりする様になることも。
欠点は無いに越したことはないですが、古くなればなるほど多少の欠点は普通ある。プロはむしろ古い刀で全く欠点がないと怪しむらしい。

でここからは賛否両論あると思うのですが、個人的には欠点探しで刀を見るよりもその刀全体を見て綺麗だなぁとぼんやり感じる程度の方が楽しく刀を見れるのかなと。
少し別の言い方をすれば、↓みたいに細かい部分的な視点であら探しをするよりも、

画像1

↓みたいに少し広い視点で刀全体を何となく楽しむ方が刀を楽しく見れるかなと。

画像2

特に初めて刀を買うとき(本当に無知な時)はこの見方が出来ていたように思う。
無知だった事が幸いしてか欠点という概念が頭に無いので純粋に刀の良い分だけを見て綺麗と感じ楽しめていた気がします。

それが少し刀について知るようになると何か別のフィルターを通して刀を見てしまっている気が最近はしている。
例えばその刀の刃文や地鉄といった特徴からの鑑定目線だったり、刃の明るさや匂い口はどうか、研ぎ減り具合や疵がどうかなどと、美術品としての前提ありきでの刀の見方、よく言う減点方式じゃないですがそんな視点で刀を見てしまっている気がしてこれは純粋に刀を楽しめているのかと疑問に思う事が多々あります。
まして自分自身は刀の鑑定家でもなければ売り買いするプロではなくただの素人。
これらの事もしたような気になっているだけです。

プロではないので刀の良いところだけをぼぉ~と楽しめるようになりたい。
欠点だらけの刀を今見たとして純粋に楽しめるだろうか?
3年前の自分であればまず間違いなく楽しめたと自信を持って言える。
「うわぁ~…本物の刀だ!!本物の刀を持ってるよ…!これが刀の重さ…」
という感じで入りのテンションからして違うだろうし、その流れで「これが刃文か~!」などとテンションは最高潮を迎えていたはず。

でも今はそういった刀を見て自信を持って楽しめるとは言えない。
今残っている刀は誰かに大事にされてきたから残っているわけで、欠点があるから価値が無いなどとは思わない。
頭ではそう分かっているつもりでも体が反応してしまうのではないか?
純粋に刀を楽しむ難しさを感じる。

画像4


今回も読んで下さりありがとうございました!
面白かった方はハートマークを押してもらえると嬉しいです^^
記事更新の励みになります。
それでは皆様良き御刀ライフを~!

画像3

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?