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今ふたたびの「天地以順動」展へ
昨日は好きな金工の鐔の入荷連絡を頂いたこともあり銀座へ。
ちょっと好みと異なるデザインだったので購入はしなかったものの、ちょうどこの時期は重要審査落ちした質の良い特保が出回る時期でもあるので意外にお店に行くと良い物が見つかったりするのは秘密です。
さて折角銀座へ来たという事で後日改めてゆっくりと拝見したかった河内國平さんとヤノベケンジさんのコラボ展示「天地以順動」展へ改めて行ってきました。
銀座SIXの6階に向かう途中、ヤノベケンジさんの大きな作品が天井から吊るされています。この作品は今年の4月頃から登場し、個人的にはこの作品を見てヤノベケンジさんの事を知ったのでした。
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そして今回無鑑査刀匠の河内國平さんとコラボ展示をされるという事で「まさか、あの猫の作品の方では?!」と個人的にテンションが上がったわけです。
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1回目はヤノベケンジさんの刀装中心に見ていたので、今回は刀を中心に見て周る事が目的です。
前回のブログ↓
とはいえ例えば以下の朱鞘の鞘尻にはネズミがしがみついている様子など前回あろうことか見落としていた可愛らしい発見が出来た事もあり喜ばしい。
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さて今回展示されていた河内國平さんの3振はいずれも作風が異なっているのが個人的に面白い点かなと感じた次第。
入ってすぐの1振目は粟田口国吉あたりを狙った作だろうか。
帽子の返りなどは深く先が若干先が反っていたりなどするのでこれといって何か特定の刀を写したりしたわけでもないかもしれないですが、精美な地鉄に沸映りが立ち、刃は小沸が良く付いて柔らかい印象を抱く。
刃の白さと地鉄の黒さのコントラストが目立つ作品で美しさが際立っていました。
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2振目は会場中心部にあり、威厳を放っている太刀。
刀を立てて反りが分かりやすい展示がなされており、前回は猫の刀身彫刻などに焦点を当てて見ていたのですが、刃文を見るとこちらは河内さん一門の作品によく見られる?丁子刃をしており備前伝の作風という印象を抱きます。
切先が比較的大きい事から南北朝あたりの相伝備前である長義あたりを狙っているのでしょうか。
こちらも何か特定の刀を狙った作でないかもしれませんが、刀身には「天地以順動」と彫られており、この展示に際して何か特別な想いが込められていそうです。
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3振目は一番奥にある短刀で、皆焼調の雰囲気をもった短刀で、地景も肌立って見えている事から南北朝時代の相州伝、廣光や長谷部あたりを見ているような気持ちになってきます。
刀身には北斗七星を金象嵌であしらっており、反対面には水しぶきのような何かしらの波動のような彫。
今回のヤノベケンジさんの作品にまつわる彫な気もしていますが一体何の彫でしょうか。
見る場所によって刀の見え方が様々変わる楽しい1振です。
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今回この展示にお邪魔するのは2回目だったのですが、1回目は刀装ばかりに気を取られていて刀身はあまり見れなかったので行けて良かったです。
気が付けばこの「天地以順動」展も2024/12/10までなのであともう少しで終わりです。
そして気がつけば今年ももうあと20日とちょっと…。
時間が経つのはあっという間ですね。
振り返るのは少し早いですが今年も色々あったなとふと感じます。
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…いや、まだまだ今年は終われません…!
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)
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