小太刀の魅力
小太刀。
読んで字のごとく、小さい太刀。
2尺(60.6㎝)前後の太刀を指し、登録上は脇差の部類の属するものですが、時代は古く、鎌倉時代から存在していたとされています。
(画像転載元:刀剣ワールド 小太刀銘 長光)
①小太刀は実戦用ではない?
明確な事は分かっていないようですが、鎌倉時代の貴族たちが武士達が身に着けていた太刀を洒落て佩こうとしたところ、貴族の主な移動手段である牛車に乗る時に邪魔になるので短い物を作らせた説や、武士の子供用、または女性用である為に短いなどとも言われているそうです(参考:「小太刀」wiki)
いずれにしても小太刀が実戦で使われていたという見方はあまりされていないようです。
(画像転載元:風俗美術館)
②こんな人におすすめ?
全体的に小さい刀が欲しいという方に向いているかもしれません。
例えて言えば、2尺5寸の刀を2尺に摺り上げたサイズ感ではなく、そのまま全体的に縮小したようなサイズ感といった方が伝わりやすいかもしれません。
摺り上げた刀だとどうしても身幅などはがっちりしていることもあると思いますが、全体を縮小した感じだと身幅も細くなると思います。
そんなイメージです。
なので長いのは重いと感じる人や、大すりあげだと反りが無くなるので反り姿を楽しみたいという方に小太刀は向いているかもしれません。
重さは片手で難なく持てるくらい軽いです。室町時代の片手打ちを持った時の感覚に近い気もします。
(画像転載元:刀の蔵 小太刀長光)
(画像転載元:刀の蔵 小太刀長光)
③名品も販売中の様子
売り物をあまり見ない気がしますが、現在「コレクション情報」さんのサイトを見るとなんと伝三条極めの小太刀が販売中のようです!
三条と言うと宗近や五条国永などの時代ですね。
(価格はお問い合わせとなっています。2021.5.4時点)
(画像転載元:コレクション情報)
④終わりに
小太刀だからといって作りが雑なわけでは当然ありません。
他の刀と同様に丁寧に作られています。
実戦用としては時代背景的にもやはり少し小ささを感じるのは事実です。
そんな所から個人的にはなんとなく小太刀は武家の子供用に作られた気がしていますが果たして。。
いずれにしても江戸時代の脇差とはまた違い、小ささの中に感じる優美さは小太刀独特のものでもある気がします。
ただ値段は高い様子。
脇差と言えば価格は刀の3分の1と言われたりしますが、小太刀の場合小さくても鎌倉時代の在銘作ともなるので、脇差とは別物と考えた方が良さそうです。
今回も読んで下さりありがとうございました!
面白かった方はハートマークを押してもらえると嬉しいです^^
記事更新の励みになります。
それでは皆様良き御刀ライフを~!