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大刀剣市での購入判断の難しさ

今回の大刀剣市は1日のみの参加だったのですが、欲しいジャンルが複数ある(成木氏の鐔や小柄、桃山頃の真鍮鐔、古金工、太刀師、鏡師)状況下で70店近いお店が並び、やはりというべきか欲しいと感じる物も割りと頻繁に見つかってしまいました。

10時に入場して4階から見て周ったのですが、半周くらいした後にA店で好きな品を発見して購入、更に向かいのお店Bでまた買い、その横のお店Cで買うという連続ぶり。
この辺りで急に不安が押し寄せる。
何せまだ4階はおろか3階を見ていない。
もっと良い物があるのではないか。
予算が無限であれば気に入った物を直ぐに買っていけば良いと思うが、そんなわけにはいかない。

1年に1度の祭りで気分が高揚して冷静さを欠いているのではないか?
確かにこの日に向けて準備してきたのは確かなので財布の紐を緩めて欲しい物があれば開放する心積もりではいたものの、あまりに連続すると途端にこのような不安が押し寄せます。

特に購入の決断をした後に不安になった品の特徴を挙げるとすれば、大前提として出来が気に入っているのは勿論として、加えて普段なら25万位するものが3分の1位の価格で売りに出ていたとか、12万位しそうなものが半額以下だったりとか、なんというか「品が良いから買った」というよりも「品が少しお買い得だから買った」というような気分がしてならない。
つまりその品が25万と12万と自身の想定している相場感通りに出ていたら買ったか?と考えると、買わなかった気がする。

自身の不安の根底を探るとどうもこの辺りが引っ掛かっている気がする。
その品が本当に好きであれば少なくとも相場の範囲では買いたいと思いそうなものであるし、ずっと探し求めていたものであれば相場より高くても手を出すかもしれない。
何かそういう「熱」のような物が足りなかった品(鐔)が少なくとも1点あった。
この品は購入判断が少し軽率だったように思う。
恐らく長くは手元に残らないだろう…。
対して、想定していたより1.5倍位高かったものにも手を出してしまった。
が、こちらは後悔は今のところ特にしておらず長く手元に残りそうな気がしている。こちらは「熱」が足りていたのだろうか。

このように文章で書くと「熱量」を基に購入判断すれば良く、容易そうに思えるのですが、自分がどの程度欲しいと感じているかを客観視するのは意外に難しいものです。
そこに時間の制約が加われば更に…。

なにせ大刀剣市という環境は特殊で、悩んでいる内に売れて無くなるという事態もまた多く。
全て見終わってから元のブースに戻ってくるには少しじっくり見てしまうと平気で1~2時間位掛かってしまう。
しかしその時間があると早いものは無くなってしまう。

欲しい物が僅差で売れてしまう、そんな悔しい思いを過去にした事があるとどうしても「この期を逃せない」という気持ちが少なからず沸く。
ここで冷静な判断が下せるかどうか…。
2日目も残っていたら買う、などのように半ば天に運を任せる方法も個人的には好きでよくやるのですが(1日置ける事で冷静にもなれる)、今回は1日限りだったのでそれは出来ず。

今回の判断何が正しかったかについては半年後位に分かっているはずですのでまたその頃にでも答え合わせしようと思います。
因みに私は大刀剣市で刀を買った事はないので分かりませんが、刀の購入もまたかなり難しそうですね。


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大刀剣市に行った時のブログは以下にまとめています。

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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