見出し画像

成木鐔㉖ 胞山銘の製作年代について

成木鐔の中でも「胞山」と切られた銘がある。
胞山は成木氏の号である。

成木氏の昭和58年の著書である「自家製鋼による鐔つくり」や、平成25年に行われた企画展「鍔の美 -鍔工・成木一成の挑戦 -」にはこの胞山銘の鐔が 1枚も掲載されていない事から、胞山銘については本当に成木氏のものかと疑心暗鬼になった事が一時期ある。

しかし、その後もう1冊の図録である平成14年の企画展「成木一成の世界」を手に入れたところ、いくつかの胞山銘が確認できたので紹介する。
因みに冒頭の鐔もこの時の出展品であり掲載品であった。

山吉風のもの(製作年不明)
甲冑師風のもの。冒頭の鐔。(平成7年。箱書きより)
甲冑師風のもの(掲載順からして同じく平成7年頃だろうか)
尾張風のもの(平成13年 )
柳生鐔の写し(製作年不明)
柳生鐔(成木氏オリジナルデザインと思われる)のもの(製作年不明)


信家を写した物にも胞山銘が見られる。

信家写しのもの(表)(製作年不明。平成4~5年頃?)
信家写しのもの(裏)(製作年不明。平成4~5年頃?)

上記は製作年代不明ながら、以下の信家写と「信家」銘の切り方が類似している事から平成4~5年あたりに制作された物ではないかと推測している。

(2024.12.18追記)
平成3年の作で胞山銘を発見したので追記しておく。


結論

仮説を含むが、平成3年~平成13年あたりまでに胞山銘が切られていたのではないかと推測している。
もし手元に胞山銘の成木鐔をお持ちの方、箱書きに制作年がある場合は是非情報頂けると嬉しいです。


今回も読んで下さりありがとうございました!
面白かった方はいいねを押して頂けると嬉しいです。
記事更新の励みになります。
それでは皆様良き刀ライフを!

成木鐔のバックナンバーは以下で見れます。


↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。


いいなと思ったら応援しよう!