練革鐔?
軽くて頑丈な鐔で、表には漆がかけられている。
2枚を合わせているように見受けられる。切羽台から耳にかけて徐々に薄くなる。
横77.9×縦87.1×耳厚4.6㎜、切羽台厚5.8㎜、重さは30gと通常このサイズの鉄鐔であれば120g位はあるので4分の1位の重さとなっている。
茎孔部を拡大したのが以下。
材質の特定がいまいち難しいものの、けば立っている所も見られ革っぽさはある。
耳は以下のように2枚を合わせた跡が見て取れる。
因みに櫃孔部を見てみると接合面が片側に0.3~0.5㎜ほどズレている事が分かる。
このことから元々2枚それぞれに櫃孔をあけて合わせたという順番で、2枚の板を合わせた後に櫃孔を開けたわけではない事が分かる。
ともすると小柄と笄の孔ありきで作られたという事は打刀用として作られたという事でそこまで古くない事が考えられる。
また古い物であれば大切羽の跡が見られても良さそうであるが、この鐔には見られない。
櫃孔は笄孔が少し古そうな小さめの形状をしている事もあり、時代はいまいち分からず個人的な推測にはなってしまうのですが、桃山~江戸時代位に考えています。
参考までに以下は重文の獅子王の拵に付帯した練革鐔で、やはり大切羽が付いている。
獅子王の拵は平安期のものと見られているが、一部追補と見られる説もある。
練革鐔は革を何層にもして強度を増している、と見た事があります。
この鐔は何枚も重ねた物を更に2枚重ねているのか、厚みのある革2枚をそれぞれ重ねているのか分かりません。
もしくは革ではなくその他の何か素材か。
練革鐔は私自身まだ実物を見た事が無いので、この鐔については現状これ以上言える事が何もないので、あとはまた知識が溜まった後に見返して見たいと思います。
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)