鐔を逃す。
鐔をここ数ヶ月くらい時間の有る時に探していた。
鐔は膨大なデザインがあるが、刀同様、意外にこれ!という琴線に触れる物がなかなか見つからない。
鐔の用途としては鑑賞用で、刀に付ける事は考えていない。
お気に入りの鐔を買って鐔用の展示ケースを作って部屋に飾りたいな〜、なんて事も思ってみたり。
刀の展示ケース作りの時もそうだったが、まず飾る物が手元にないとどうもイメージが湧きづらく制作に着手する気力もなかなか湧いてこない。
また物が無いと実際に作るに当たり、細かい部分でやはり設計に不具合というか詰めの甘い所が出てくる可能性もあり、やはり実物を見ながらじっくり作っていきたい所。
という事でこの1ヶ月特に念入りに鐔を探していましたが、昨日ついに気に入った鐔を2枚見つける事が出来た。
①気に入った2枚の鐔について
ここでは仮に鐔Aと鐔Bとします。
鐔Aと鐔Bを比較すると、Aは真鍮を使った鐔で、Bは赤銅を使った鐔。
共に虎が描かれている。
値段で言えばAはBの4倍くらいとかなり良いお値段。
Aは特保、Bは保存の鑑定書(日刀保)が付属。
図柄だけで言えばBの方が好み。描かれた虎の表情が最高に愛くるしい。
だがサイズが脇差用?で少し小さいのがネック。
またBの金工は調べてもあまり情報が出てくるわけではなく誰かイマイチ良く分からない。
一方でAは鍔に描かれた世界観や鐔から伝わってくる躍動感が気に入った。
金工銘を調べればいわゆる名工と言われる人の作。
しかし両者名前を知っていたわけではない。
②悩んだ挙句まさかの…
悩む。
ひたすら悩む。
両方買えれば良いが、いきなりの2枚の鐔を買うというのも金額的にも心理的にもハードルが高い。
悩みに悩み、昨日の夜中ついに決心。
よし、Aにしよう!
Aだ!
しかしやはり額が中々に高く、いざ買おうとするとHP上で躊躇。
改めて作者について調べたりなど暫くしていました。
そして調べれば調べるほど作者の人となりが想像しやすくなるので少しづつ魅力が増していく不思議。マイナー金工だと情報がなかなか出てこない分、こういった時に不利である。
そしてAの鐔を買う決心が固まり購入する為サイトのページをリロード。
意を決して購入ボタンをポチっ。
・・・
画面が切り替わらない。
おかしい。
いつまで待っても切り替わらないので、ページを再度リロードしてみた。
するとそこに「売却済み」の文字。。。。
ガーンっっぅ!!!
僅か数分、いやもしかしたら数十秒の差かもしれない。
こんなことがあっていいのか。
つくづく縁が無いのである。
③結局
Aは諦め、Bの鐔を購入。
Bの方は問い合わせたところ在庫があるとの事で無事購入出来ました。
虎の表情がとても素敵です。
今年は寅年などで暫くデスクに飾って楽しもうと思います。
縁が無かったのか、それともBとの縁があったのか。
ショックは大きいですが、鐔Bとの縁を喜びながら到着を待つことにします。
こちらの鐔は届いたらまた紹介します。
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)